
2025年上半期ベストセラーのビジネス書9選
2025年上半期 ビジネス書 ベストセレクション
「2025年上半期ベストセラー」が日本出版株式会社のページにおいて発表されました。単行本ビジネス書として以下ページでベストセラーのビジネス本ランキング10が紹介されています。
日本出版販売株式会社(日販)2025年上半期ベストセラーランキング
そのラインナップは以下のとおりです。
| 順位 | サムネイル | 書名 | 著者 | 出版社 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ![]() | 改訂版 本当の自由を手に入れる お金の大学 | 両@リベ大学長 | 朝日新聞出版 |
| 2 | ![]() | 頭のいい人が話す前に考えていること | 安達裕哉 | ダイヤモンド社 |
| 3 | ![]() | 人生は「気分」が10割 | キム・ダスル 岡崎暢子 | ダイヤモンド社 |
| 4 | ![]() | 嫌われる勇気 | 岸見一郎 古賀史健 | ダイヤモンド社 |
| 5 | ![]() | DIE WITH ZERO | ビル・パーキンス 児島修 | ダイヤモンド社 |
| 6 | ![]() | 世界の一流は「休日」に何をしているのか | 越川慎司 | クロスメディア・パブリッシング発行 インプレス発売 |
| 7 | ![]() | コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前 | 西原亮 | ダイヤモンド社 |
| 8 | ![]() | 覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰 | 池田貴将 | サンクチュアリ出版 |
| 9 | ![]() | 移動する人はうまくいく | 長倉顕太 | すばる舎 |
| 10 | ![]() | 人は話し方が9割 | 永松茂久 | すばる舎 |
ポイント
当サイトではこれまでいくつかの自己啓発やビジネス書をはじめとしたベストセラーに関する本をまとめてきました。
特に、世界的に長い間読まれてきた本を優先的に紹介してきました。
それは、文化やテクノロジーが発展した現代でも、昔から変わらない考え方がそこにはあるからです。
ここではそんな日本出版株式会社より発表された単行本ビジネス書のトップ10のうちの当サイトでは9冊をすでに紹介しています。(マネー系など不確定要素があるものについては現時点で取り扱っていないため、残念ながら改訂版 本当の自由を手に入れる お金の大学」については除外しています)
当サイトで紹介している本9冊について、共通するポイントも多くあるため、あらためてまとめたいと思います。
はじめに全体をとおして
「変化を求めているのに、なぜか一歩踏み出せない」「頑張っているのに、なぜか報われない」——。
現代社会で多くの人が抱えるこれらの停滞感を打ち破る鍵が、2025年上半期のベストセラー群によって示されました。
これらの書籍が共通して提唱するのは、「人生の質は、いかに自分の内面と環境を戦略的に管理し、他者の評価に囚われずに、いますぐ行動を起こすか」にかかっているという新しい行動哲学です。
本記事では、2025年上半期にもっとも売れた9冊について、その「究極の要約」と、全書籍を貫く共通のメッセージを、具体的な事例とともにご紹介します。
1. 頭のいい人が話す前に考えていること
頭のいい人は、頭の良さは相手が決めると知り、相手を十分に理解して話をする。
知識を披露したいという承認欲求を抑え、相手のために知識を使うことが重要です。
例えば、カフェでコーヒーに詳しい男性が、知識をひけらかす代わりに、女性が「デカフェはないか」と聞いたとき、「カフェインが苦手なら、カフェオレよりカフェラテのほうがカフェインが少ないはずだからいいかも」と、相手の状況に合わせて知識を提供するのです。
コミュニケーションの強者とは、自分の承認欲求をコントロールし、他者の承認欲求を満たす側に回れる人なのです。
2. 人生は「気分」が10割
自分でコントロールすることができる気分を整え、積み重ねた自分を大切にすることが、幸せな人生につながる。
人生で起こる出来事はコントロールできなくても、自分の気分はコントロール可能です。
気分を良くするための土台作りとして、「素敵な環境に身を置く」ことが強調されています。
例えば、良いホテルに泊まる、質の良いパジャマを着る、美味しい食事をするなど、五感を通じて心地よさを感じる習慣が、ポジティブな気分の土台を作ります。
また、著者は「やる気を待つ必要はない」と述べ、まず行動を起こすことで気分が変わり、達成感が次の行動の原動力になるとしています。
3. 嫌われる勇気
他者に依存する承認欲求よりも、自分でコントロールできることにフォーカスする。
承認欲求を満たすことが貢献感の手段になってしまうと、結局は他者の望みどおりの人生を歩むことになり、自由がありません。
アドラー心理学では、自分でコントロールできる課題に焦点を当て、他者の期待に沿う必要はないと説き、自分を貫くことで、自分らしく自由に生きることを目指します。
「評判は傷ついても、生き方は傷つかない。生き方を傷つけるのは、自分自身だけである」——この言葉が示すように、外部評価を恐れずに自分らしい生き方を追求することの重要性が説かれています。
4. DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール
人生で一番大切な仕事は「思い出作り」であるから、十分に経験へ投資して、十分に記憶の配当を受け取れるように生きる。
著者は、将来の不安のために今を犠牲にする貯蓄至上主義に警鐘を鳴らしています。
アメリカの調査によると、退職者の3分の1が退職後も資産を増やし続け、多くの人が「死ぬときに残したお金の分だけタダ働きした」ことになると指摘されています。
若い頃のヨーロッパ旅行の思い出は、何十年経っても色褪せず「ニヤニヤ」と幸せな気持ちにさせてくれる「記憶の配当」を生むため、今しかできない経験に投資すべきだと説かれています。
本書は、「経験の賞味期限」を意識して「やりたいことを先送りにするな」と強く主張します。
5. 世界の一流は「休日」に何をしているのか
疲れてから休むのではなく、休日を「自己効力感」を高めるための戦略的投資に変え、ワーク・ライフ・ハーモニーを実現すること。
世界の一流は、週末の過ごし方に明確な「メリハリ」をつけます。
土曜日をスポーツや人脈構築などのアクティブな「チャレンジデー」に、日曜日を読書や瞑想、静かな会話などの内省のための「リフレッシュデー」に戦略的に使い分けます。
イーロン・マスク氏も土曜日に飛行機操縦やアイデア出し、日曜日に読書や瞑想を行うことで、高いパフォーマンスを維持しています。
本書は、「休むために仕事をする」という価値観の転換を説き、先に休む予定を決め、それに間に合わせるように仕事を効率化する「温存戦略」を提唱しています。
6. コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前
当たり前のことを、誰よりも徹底してやる。それが信頼につながる。
仕事ができる人は、「わかったふり」をすることは完全な悪だと認識しています。
また、上司に答えを求める質問は「ご法度」とされており、質問する際は必ず「私はAという解決策を考えています。理由は○○だからです。いかがでしょうか?」というように、自分の仮説と根拠を提示する「黄金の質問法」を実践します。
これにより、上司から具体的なフィードバックを引き出し、自らの思考の癖を改善できるのです。
さらに、仕事ができる人は「事実と主観を明確に切り離す」ことを徹底し、「思います」「〜そうです」を削除して、必ず数値や固有名詞を含めて報告します。
7. 覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰
本気で生きていますか?という問いに真剣に向き合う覚悟を持ち、恐れずに行動し、自分らしい人生を力強く生きていく。
吉田松陰は、黒船に乗り込むという命がけの行動を起こした際、「完璧な準備など存在しない」と断言し、知識不足や失敗への恐れから行動をためらうことなく「動きながら準備する」ことの重要性を説いています。
また、「たった1回負けたくらいで、やめないでください」という言葉は、失敗を恐れずに挑戦し続ける勇気を与えます。失敗は恐れるものではなく、「成功の一部であり、改善の機会」と捉えるべきなのです。
さらに松陰は、「慣れ親しんだ場所から出ろ」と強く勧め、現状維持のシステムや考え方を超越することが真の目的実現に不可欠であると説いています。
8. 移動する人はうまくいく
人生の豊かさは選択肢の多さなのだから、移動を通して環境を変えることで、人生の選択肢を増やしながら生きていく。
人間の行動原理は「環境→感情→行動」の順で変化するため、意志の力に頼るより、まず物理的に環境を変えることが自己変革の鍵です。
日常生活における小さな移動として、「通勤経路を週に1回変えてみる」、「普段行かないカフェで仕事をする」といった行動から始めることが推奨されています。
NTTデータ経営研究所の実証実験では、ワーケーション実施中のパフォーマンスが20%程度上昇することが確認されており、環境を変えることの効果が科学的に裏付けられています。
本書は、「見切り発車こそが成功の秘訣」だと提唱し、物理的な移動という行動を起こすことで、新たな可能性が開かれると説いています。
9. 人は話し方が9割
相手への敬意を持ち、自己肯定感を満たし、話を広げていく。
会話がうまい人は、相手の話を広げるためのテクニック「拡張話法」を使います。これは、感嘆、反復、共感、称賛、質問という5つのステップで構成され、相手に気持ちよく話をしてもらうことを促します。
また、コミュニケーションの三大原則として「人は自分が一番大切で興味がある」「人は自分を認めてほしいと熱望している」という点を意識し、相手を主役にしてあげることが重要です。
例えば、相手が「週末、久しぶりにジョギングしたんです」と言ったら、「へぇー!(感嘆)」→「ジョギング!(反復)」→「気持ちよかったでしょう(共感)」→「素晴らしいですね(称賛)」→「どこを走ったんですか?(質問)」という流れで、相手の話を5倍に広げることができるのです。
9冊のベストセラーに共通する3つの行動哲学
これらの書籍を総合的に見ると、2025年上半期のベストセラーは、現代人が停滞を打破し、豊かで充実した人生を送るために取るべき具体的な行動原理を共通して示しています。
共通ポイント 1:完璧を求めず、いますぐ「行動」を起こすこと(先送りの否定)
多くの書籍が、人生における最大の後悔や停滞の原因を「いつかやろう」という先送り癖や「完璧な準備を待つ姿勢」に見出しています。
自己変革とは、思考を完璧に整理してから動くのではなく、まず一歩を踏み出すことで環境を動かすプロセスだと捉えられています。
具体例:
- 『DIE WITH ZERO』では、将来の不安のために今を犠牲にする「貯蓄至上主義」に異議を唱え、経験の賞味期限を意識して「やりたいことを先送りにするな」と強く主張します。
- 『覚悟の磨き方』の吉田松陰の教えは、「完璧な準備など存在しない」という認識に基づき、「動きながら準備する」ことの重要性を説いています。失敗は恐れるものではなく、「成功の一部であり、改善の機会」と捉え、たった1回負けても諦めない勇気を与えます。
- 『移動する人はうまくいく』では、「行動力がない」という悩みの根本原因は変化を恐れる本能にあるとし、「見切り発車こそが成功の秘訣」だと提唱します。物理的な移動という行動を起こすことで、新たな可能性が開かれます。
- 『人生は「気分」が10割』では、「やる気を待つ必要はない」と述べ、まず行動を起こすことで気分が変わり、達成感が次の行動の原動力になるとしています。
共通ポイント 2:他者の評価を捨て、「自分でコントロールできる領域に集中」すること
真の幸福と成果は、他者からの承認や外部の評価に依存するのではなく、自分がコントロールできる領域、特に「内的な状態」と「行動」に焦点を当てることで達成されるというメッセージが共通しています。
具体例:
- 『嫌われる勇気』の核となる考え方は、他者に依存する承認欲求から解放され、自分でコントロールできることにフォーカスすることです。他者の期待に沿おうとすると、自由のない人生を歩むことになると警鐘を鳴らします。
- 『頭のいい人が話す前に考えていること』では、知性を発揮するとは、自分の知識を披露する承認欲求を抑制し、「相手のために知識を使う」ことだと説きます。コミュニケーションの強者とは、自分の承認欲求をコントロールし、他者の承認欲求を満たす側に回れる人だと定義しています。
- 『人生は「気分」が10割』では、人生で起こる出来事はコントロールできなくても、自分の気分はコントロールできるという前提に立ち、その気分の土台を自ら整える習慣を提案しています。
- 『覚悟の磨き方』では、「評判は傷ついても、生き方は傷つかない。生き方を傷つけるのは、自分自身だけである」という言葉を通じて、外部評価を恐れずに自分らしい生き方を追求することの重要性が強調されています。
共通ポイント 3:意志の力に頼らず、「環境(視点)を戦略的に転換」すること
自己変革を達成するためには、強い意志や根性に頼るよりも、物理的・心理的な「環境」や「視点」を戦略的に変える方が効果的であるという視点が共有されています。
具体例:
- 『移動する人はうまくいく』では、「環境→感情→行動」の法則を基に、人生を変えるためには物理的な移動によって環境を変えることが最短ルートだと提唱しています。通勤経路を変えるといった小さな移動でも、脳の活性化と選択肢の増加につながります。
- 『世界の一流は「休日」に何をしているのか』では、休日を「疲れを癒す時間」という受け身な環境から、「自己効力感を高める戦略的投資」へと定義を転換します。さらに、仕事でも家庭でもない「サードプレイス(第三の居場所)」を持つことで、利害関係に縛られない交流とイノベーションを生み出す環境を作ることを推奨しています。
- 『覚悟の磨き方』では、「慣れ親しんだ場所から出ろ」と強く勧め、現状維持のシステムや考え方を超越することが真の目的実現に不可欠であると説いています。
- 『人生は「気分」が10割』では、ネガティブな人間関係を「デトックス」し、心が軽くなる「気さくな人」だけを大切にすることで、ポジティブな環境に身を置くことの重要性を強調しています。
まとめ
2025年上半期のベストセラー9冊を通して見えてくるのは、「今を生きる」ための具体的な行動原理です。
これらの書籍は、単なる精神論や理想論ではなく、科学的根拠と実践者の具体例に基づいた、現代人が直面する停滞を打破するための実践的なガイドブックとなっています。
3つの行動原理の実践
- 完璧を待たず、いますぐ行動する:先送りは人生最大の敵。まず一歩を踏み出すことで、環境が動き始める。
- 他者の評価から自由になる:自分でコントロールできる領域に集中し、内的な充実を追求する。
- 環境を戦略的に変える:意志の力に頼らず、物理的・心理的な環境を転換することで、自然と行動が変わる。
時代を超えて読まれる理由
これらの書籍に共通するのは、文化やテクノロジーが発展した現代でも変わらない、人間の本質的な課題に向き合っているという点です。
「変化したいのに変われない」「幸せになりたいのになれない」という普遍的な悩みに対して、具体的で実践可能な解決策を提示しているからこそ、多くの読者の心を掴んでいるのです。
人生は一度きり。完璧な準備を待つのではなく、今この瞬間から、小さな一歩を踏み出してみませんか?

























