
医師しか知らない 死の直前の後悔
書籍「医師しか知らない 死の直前の後悔」で学べる一番大事なことは、一言でいうと以下の1文です。
まとめガイドは次のページで紹介しています。
医師しか知らない 死の直前の後悔 目次
第1章 「やらなかった後悔」はずっと心に残る―経験・挑戦に関する後悔
第2章 本音を伝える勇気があれば―人間関係をめぐる後悔
第3章 もっと自分の体と心の声を聞けばよかった―健康や医療の後悔
第4章 不安や心配ばかりで人生を楽しめなかった―お金の後悔
第5章 もっと自分の人生を楽しめばよかった―人生全体の後悔
はじめに
精神科医として30年以上、6000人を超える高齢者の最期に立ち会ってきた和田秀樹氏は、ある一人の患者をきっかけに自分の生き方を根本から変えました。
誰も見舞いに来ない、元大企業の幹部で高慢な性格の患者を見て、「医学界での名誉を追い求めてきた自分もこうなるのではないか」と気づいたのです。
それ以来、本当に自分のやりたい医療を行い、映画を撮ることにシフトし、性格もおだやかになったといいます。
本書『医師しか知らない 死の直前の後悔』は、著者が患者たちの最期の言葉から学んだ、人生の終盤で繰り返される後悔のパターンを体系化したものです。
「働きすぎなければよかった」「お金を惜しまず思い出をつくるべきだった」「医者の言うことを聞きすぎなければよかった」──これらは特定の誰かの話ではなく、驚くほど多くの人に共通する後悔です。
人生の終わりに近づいたとき、私たちが後悔するのは「失敗したこと」ではなく、「やらなかったこと」「我慢し続けたこと」であることが、繰り返し明らかになります。
以下、本書の中でも特に重要な3つのポイントについて詳しく解説します。

重要な3つのポイント
「やらなかった後悔」はずっと心に残る
「やらなかった後悔」はずっと心に残る

「定年になったら」「お金が貯まったら」「子供が独立したら」──そう言い続けているうちに、気づけば体も気力も思うように動かなくなっていた。
著者は、高齢患者たちが死を前にして最も強く口にする後悔の一つが「挑戦しなかったこと」への後悔だと語ります。
失敗した記憶は時間とともに薄れていきますが、「やらなかった後悔」は消えにくく、死の間際まで心に残り続けます。
「周りの目を気にして挑戦できなかった」「若いころの失敗を引きずって前に進めなかった」という後悔は、特に多くの人に共通しています。
死が近づいたとき、人は「あれをやっておけばよかった」という思いに、驚くほど強く捕らわれるのです。
著者自身が65歳のとき、香川県琴平町での講演会の帰りに、金刀比羅宮へ立ち寄りました。
1,368段もの長い石段を前にして「次に来るときは、もう登れないかもしれない」と思い、その日に登りきったといいます。
これこそが著者の言う「やるなら今しかない」という姿勢です。
旅行でも、会いたい人に会うことでも、学び直しでも、「いつか」を「今日」に変えることが、後悔を減らす唯一の方法です。
死ぬ前に旅行に行きたかった、もっと勉強しておけばよかった、好きなことを思い切り楽しめなかった──これらはすべて、行動を先延ばしにした結果です。
体力も気力も時間も、今この瞬間が人生で最も若い状態です。
挑戦することで得られる経験や記憶は、銀行残高や社会的地位とは違い、あなたの人生そのものを豊かにします。
- 「次の機会はもうないかもしれない」と考える習慣をつける
- 行きたい場所、会いたい人、やりたいこと
- 「今がその最後のチャンスかもしれない」という視点で予定を立てる
- 「いつか」を具体的な日付に変える
- 夢や目標をカレンダーに書き込み、その日に向けて動き出す
- 周りの目より自分の心を優先する
- 「恥ずかしい」「年齢的に無理」という言い訳は、後悔の種になる。
- 著者は「若いころの失敗を引きずっている」という後悔も多く聞いてきた
- 旅行を後回しにしない
- 「死ぬ前に旅行に行きたかった」は患者たちに多い後悔の一つ。
- 体が動くうちに計画を実行に移す
医者の言うことを聞きすぎなければよかった
医者の言うことを聞きすぎなければよかった

「血圧を下げるために塩分を控え、コレステロール対策で脂っこいものをやめ、血糖値のために甘いものも断ってきた。それなのに……」。
著者のもとには、長年にわたって医師の指示に従い、さまざまな楽しみを犠牲にしてきた高齢者から、この種の後悔の言葉が非常に多く届きます。
真面目に節制してきた人ほど、最期に「あんなに我慢した意味があっただろうか」という虚しさを抱えがちです。
お酒が好きな人にとっての晩酌のひとときや、甘いものが好きな人にとってのデザートは、その人の日々の暮らしに深い満足をもたらすものです。
そのような「ちょっとした楽しみ」を全て失ってしまうと、日常の満足度が大きく下がり、毎日が味気ないものになってしまいます。
しかも、どれだけ節制しても、必ずしも長生きできるとは限りません。
著者は「高齢期においては、数値の改善よりも今の心地よさを優先することが後悔を減らす鍵となる」と述べています。
医師の言葉を全面否定するわけではありませんが、特に高齢になるほど、検査数値だけを基準にした医療ではなく、「自分の体と心の声を聞く」姿勢が重要になります。
「納得できる医療を選ばなかった」「自分の体について調べる努力を怠った」という後悔も多いことから、著者は患者が医療について主体的に考えることを強く推奨しています。
高齢者の後悔や不満の中で特に多いのが、医師や医療に対するものです。
医師の言うことを聞きすぎて自分の望む生き方ができなかった、という後悔は、治療の効果や長寿という結果とは別に、「人生の満足度」を大きく損ないます。
自分の体のことを自分で考え、主体的に選択することで、たとえ結果が同じでも「自分で決めた」という納得感が残ります。
- 医師に言われたことを鵜呑みにせず、セカンドオピニオンを活用する
- 特に大きな治療方針の決定は、複数の医師の意見を聞く
- 「心の健康」にも目を向ける
- 体の数値だけでなく、「今日、楽しいことがあったか」「気持ちが晴れているか」を毎日確認する
- 日々の小さな楽しみを守る
- 晩酌、好きなデザート、趣味の時間──それが生活の満足度を支える柱になっている場合は、安易に手放さない
- 自分の体について積極的に学ぶ
- 病名や薬の効果・副作用を自ら調べ、医師との対話を対等なものにする
- 「もっと気楽に生きればよかった」にならないよう、今から力を抜く場所を意識的につくる
お金を惜しまず、思い出をつくるべきだった
お金を惜しまず、思い出をつくるべきだった

日本人は平均して約2,000万円もの資産を残して亡くなるといわれています。
節約・貯蓄という美徳が、やがて「老後の不安」という名の足かせとなり、使えないまま終わる──これが、著者が高齢患者から繰り返し聞くお金にまつわる後悔の構図です。
「お金を惜しまず、思い出をつくるべきだった」は、その中でも特に深い後悔として語られます。
「体が動かなくなってからではお金を使おうにも使えない」という現実があります。
旅行に行けるほどの体力があるうちに行かなかった、孫や子供に奮発してあげたかったのに「もったいない」と思ってしまった──こうした後悔は、お金が残っていても体や気力が追いつかなくなった後に押し寄せてきます。
さらに「子供に資産を残しすぎた」という後悔も多く、自分のために使うことへの罪悪感が、結果として誰の幸せにもつながらなかったケースも少なくありません。
著者は「本当の財産は、旅の記憶や家族との団らんといった思い出の総量だ」と言い切ります。
地位や名誉、銀行の残高はあの世には持っていけませんが、豊かな経験の記憶は死の直前まで自分を支えます。
また、スティーブ・ジョブズのような成功者でさえ、最期には「もっと家族と過ごせばよかった」というごく個人的なつながりへの後悔を口にしたといわれます。
人生の最後に残るのは、業績でも財産でもなく、人とともに過ごした時間の質であることを、多くの患者が教えてくれたと著者は語ります。
お金は「使える体と気力があるとき」にしか使えません。
動けるうちに経験に変えたお金は、かけがえのない記憶として生涯残り続けます。
「自分の生きた証を残したかった」という後悔も多いことから、旅、学び、創作、人との交流など「形に残らないもの」にお金を使うことが、人生の充実感を高めることがわかります。
- 「老後のために」ではなく「今のために」使う感覚を持つ
- 介護保険など最低限のセーフティネットを確認した上で、使える余裕があれば今の経験に投資する
- 家族や大切な人と過ごす時間にお金をかける
- 豪華な旅行でなくても、「一緒にどこかへ行く」「美味しいものを食べる」という小さな積み重ねが思い出をつくる
- 「もったいない」と感じたら問い直す
- そのお金は将来誰かのために使われるのか、それとも自分の残り少ない楽しい時間に使えるのか、を立ち止まって考える
- 「自分の生きた証」を意識した使い方をする
- 旅のアルバム、趣味の作品、孫との体験など、記憶に残る形にお金と時間を投じる
重要ポイント+1
他人の目線ではなく、自分の心の声に従って生きる
本書の大きな特徴のひとつは、著者自身が患者から学び、自らの生き方を変えたという事実です。
誰も見舞いに来ない元大企業幹部の患者を見て、それまで追い求めていた医学界での名誉や地位への執着を手放し、本当にやりたいことにシフトした。
このエピソードは、本書全体を貫く「他人の目線ではなく、自分の心の声に従って生きる」というメッセージの原点となっています。
また著者は、人間関係の後悔として「子どもの反対を押し切っても再婚すればよかった」という声を数多く聞いてきました。
いわゆる「金持ちパラドックス」と呼べる現象で、中途半端に財産がある人ほど子供の反対を押し切れず、再婚や新しいパートナーとの生活を諦めてしまうケースが多いといいます。「他人のことなど気にせず再婚すればよかった」という後悔は、お金や人間関係が複雑に絡み合った問題として語られます。
さらに「いつまでも人への恨みが消えない」という後悔も印象的です。恨み続けることは、相手を傷つけるのではなく、自分自身の最後の時間を苦しめ続けることになる。
著者は「昔、仲違いした人のことが気になっている」という後悔も多く聞いており、できることなら関係を修復することを、存命のうちに検討してほしいと呼びかけています。
まとめ
本書は、精神科医として30年以上・6000人以上の高齢者を見てきた著者が、多くの患者が死の間際に口にする後悔のパターンを体系化した一冊です。
「やらなかった後悔」「医者の言うことを聞きすぎた後悔」「お金を思い出に使わなかった後悔」という3つの柱を通じて、今この瞬間から生き方を変えるための具体的な視点を提供しています。
人生の最後に残るのは、数値や肩書きではなく、自分の心に正直に生きた時間の質であることが、繰り返し伝えられます。
読者からは「生きているうちに読めてよかった」「老後の不安よりも、今を充実させることの大切さに気づかされた」という声が多く見られます。
また「医者の言うことを疑う視点は新鮮だった」「お金の使い方を根本から考え直すきっかけになった」という感想も多く、人生の折り返し点を過ぎた世代に特に刺さる内容として評価されています。
著者は本書を通じて「何歳からでも、人生はやり直せる」と繰り返し伝えています。
自分が患者から学び生き方を変えたように、読者にも後悔の言葉集を人生を変えるきっかけとして活かしてほしいという強い思いが込められています。
完璧な節制や他人の目線ではなく、自分の心と体の声に素直に従うことで、最期に「いい人生だった」と言える人が増えることを願っています。
「もう遅い」ではなく「今が一番若い」。この視点の転換こそが、死の直前の後悔をゼロに近づける、最もシンプルで力強い答えです。
【内容情報】
人生を変えるヒントになる、後悔の言葉集。高齢者医療に長年従事してきた著者・和田秀樹氏は、誰も見舞いに来てくれない、元大企業の幹部で高慢な性格の患者を見て、考え方や生き方を変えたと言います。それまでは医学界での名誉を求めていたそうですが、本当に自分のやりたい医療を行ったり、映画を撮ったりする方向にシフトしたのです。性格もおだやかになったそうです。著者は一人の患者を見て生き方を変えましたが、この本にちりばめられた、高齢患者たちの残した言葉や、それに基づく著者の考えは、あなたの人生を変えるきっかけになります。何歳からでも、人生はやり直せます。
【著者情報】
和田秀樹(わだ・ひでき)
1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。一橋大学経済学部非常勤講師。幸齢党党首。高齢者専門の精神科医として30年以上にわたり高齢者医療に携わる。
医師しか知らない 死の直前の後悔 内容紹介より
参考
まとめガイドは次のページで紹介します。








