
新版「食べてはいけない」「食べてもいい」添加物

書籍「新版食べてはいけない食べてもいい添加物」で学べる一番大事なことは、一言でいうと以下の1文です。
新版「食べてはいけない」「食べてもいい」添加物
第1章 「食べてはいけない」添加物の食品(主食系 加工食品 ほか)
第2章 「食べてはいけない」と「食べてもいい」の中間の添加物の食品(主食系 加工食品 ほか)
第3章 「食べてもいい」添加物および無添加の食品(主食系 加工食品 ほか)
第4章 食品添加物早わかりリスト(五十音順)
第5章 食品添加物の基礎の基礎知識(食品添加物は「食品」ではない 合成か天然か ほか)
はじめに
食品ジャーナリストとして活躍する渡辺雄二氏のベストセラーが大改訂、最新版のガイドです。
2014年の初版から、新版としてリニューアルされています。
コンビニやスーパーなど買い物をする際、加工食品のパッケージに書かれた「食品添加物」をチェックをしていますか?
しかし、そこに書かれている「食品添加物」が本当によいものなのか、体を害する可能性のあるものなのか、判断できるという人は少ないのではないでしょうか。
現在国内で使用が認められている「食品添加物」の数は800品目を超えています。
ありとあらゆる加工食品に無節操に使われています。
ざっくり「添加物」はよくない、と頭にはインプットされていても、実際に添加物を避けて食生活を営むにはかなり無理があります。
本書では、身近な食品を例に、「食べてはいけない添加物」と「食べてもいい添加物」の違いを知ることができます。
「食べてはいけない添加物」「食べてもいい添加物」の違いを知って、今後の買い物の際の判断材料とし、おいしく食べて、健やかに暮らせるようにしましょう。
「食べてはいけない」添加物の食品(主食系 加工食品 ほか)
主食系
サンドイッチ(ハム入りは特に要注意)
コンビニ弁当
コンビニパスタ
駅弁
カップめん/袋入り即席めん
惣菜パン

サンドイッチのハムには、色が黒ずむのを防ぐために、発色剤の亜硝酸ナトリウムという添加物が使われています。
この亜硝酸ナトリウムは毒性が強いうえに、食肉に含まれるアミンという物質と結びついて、ニトロソアミン類という強い発がん性物質に変化するのです。
コンビニ弁当やパスタ(カルボナーラなど)にも、ハムやベーコン、ウィンナー、明太子、たらこが入っているものがありますが、同様に亜硝酸ナトリウムが含まれるため要注意です。
これらの具材が入っていなければよいのかと感じると思いますが、具材以外にも保存料やとろみづけのためとしてpH調整剤、クエン酸、酢酸ナトリウムなどの添加物が使われます。その他にも、調味料(アミノ酸類)、乳化剤、膨張剤、着色料、香料、増粘多糖類、スクラロースなどの合成甘味料が使われたりします。
多くの添加物を摂ると、胃や腸の粘膜が荒れることが心配されます。
商品表示をよく確認し、上記具材が入っておらず、亜硝酸ナトリウムとスクラロースが使われていないものを選ぶようにしましょう。
加工食品
ハム・ベーコン・ウィンナーソーセージ
明太子・たらこ
コンビーフ・スパム
福神漬・紅しょうが
うめぼし
たくあん
グリンピース缶

お弁当などに含まれるものだけでなく、加工食品として単品で販売しているものにも同じように添加物がたくさん使われています。
主食系でも出たとおり、ハムやベーコン、ウィンナーソーセージ、明太子、たらこ、コンビーフ、スパムなどの加工食品には、色が黒ずむのを防ぐために、発色剤の亜硝酸ナトリウムという添加物が使われています。
亜硝酸ナトリウムは、見方によっては猛毒の青酸カリと同じくらいの毒性をもち、さらに発がん性物質に変化します。世界保健機関(WHO)の一組織でもある国際がん研究機関(IARC)は「ハムやソーセージ、ベーコンなどの加工肉を1日50g食べると、直腸や結腸のがんになるリスクが18%高まる」という研究結果を発表しています。
特に明太子やたらこは、発色剤の亜硝酸ナトリウムが添加されているのに加え、赤40、赤106、黄5などの合成着色料であるタール色素が使われており、相乗作用によって胃がんの発生率が高まると言われています。
福神漬や紅しょうがには赤102、赤106、黄4、黄5などのタール色素が使われていることが多いです。
いずれも動物実験などの研究から発がん性の疑いが持たれています。
赤106は最近の遺伝子を突然変異させ、染色体を切断する作用があります。
赤102、黄4、黄5は人間にじんましんを起こすことが知られています。
また、福神漬、紅しょうがに加えて梅干しには、合成甘味料(人工甘味料)のスクラロースやアセスルファムカリウムが添加された製品もあります。
スクラロースは自然界に存在しない化学物質で、動物実験の結果から免疫力を低下させる心配があります。
たくあんには鮮やかな黄色を出すためにタール色素の黄4が使われます。
また合成保存料のソルビン酸カリウムを添加したものも売られています。
ソルビン酸カリウムには、動物の細胞の染色体を切断したり、細菌の遺伝子の修復をさまたげる作用があります。これは、人間の細胞の遺伝子を突然変異させて、細胞をがん化させる可能性があるということです。
グリンピース缶には鮮やかな緑色を出すためにタール色素の黄4と青1が使われています。
青1を溶かした水を動物に注射した実験では、高い割合でがんが発生したといいます。食事で体内に取り込んだ場合にどう違うかはわかりませんが、非常に気になる実験結果です。
※合成着色料が体に悪い理由
着色料には主に石油製品から作られる「合成着色料」と、自然界に存在する動植物から作られる「天然着色料」があります。
合成着色料が体に悪い理由は、非常に分解されにくい化学物質でもあり、発ガン性や遺伝子への悪影響(胎児の奇形など)などの疑いが拭いきれないからです。
タール系色素は、体内に取り込まれた場合は分解されにくいため、ホルモンや免疫システムを乱す恐れがあります。
天然着色料よりも安価で石油製品から作られ鮮明な色で退色しにくい特徴があるため、使われ続けています。
ただし、天然着色料だからといって安心できるものでもありません。ほとんどは危険がないのですが、かつてハムやかまぼこなどに使用されていた「アカネ色素」は、2004年になって腎臓の発がん性や遺伝毒性が分かって使用が禁止された例からも分かるように、全てが安全だと断言はできません。天然着色料にも疑わしいものは存在するのです。
生鮮食品
グレープフルーツ・レモン・オレンジ
ライム・スウィーティー

グレープフルーツ・レモン・オレンジ・ライム・スウィーティーなどの柑橘類は特に、遠い国から船で何週間もかけて運ばれてきます。そのため途中でカビが生えたり、腐ったりするのを防ぐために防カビ剤(防ばい剤)のOPPやOPP-Na、TBZ、イマザルリなどが使われています。
しかし、OPPやOPP-Naには発がん性のあることが動物実験でわかっています。またTBZには催奇形性(お腹の子どもに先天性障害をもたらす毒性)のあることがわかっています。イマザルリも神経行動毒性があり、肝臓に悪影響があることがわかっています。その他にも、リンパ腫の発生率を増加させるもの、甲状腺に腫瘍の発生させるものなどがあり影響が大きいことがわかります。
これらの防カビ剤は、皮だけでなく果肉からも微量ながら見つかっています。
国産であればこのような防カビ剤は使われていないので、国産のものを選ぶようにしましょう。
お菓子類
ガム
豆菓子
ビーフジャーキー・サラミ
清涼菓子

キシリトールガムというと歯によい健康的なガムというイメージがありますが、ガムには合成甘味料のアスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物を使った製品が数多くあります。しかしアメリカでは、アスパルテームについて安全性論争が続いていて、脳腫瘍を引き起こす可能性があるという指摘もあります。また、白血病やリンパ腫をおこすという動物実験の結果も発表されています。
アスパルテームに加えて、同じく合成甘味料のアセスルファムKを添加したガムもありますが、イヌに使った実験では、肝臓にダメージを与えたり、免疫細胞の一種のリンパ球を減らすことがわかっています。
お酒のつまみにうってつけの豆菓子。しかし、えんどう豆を使ったグリーン豆は要注意です。発がん性の疑わしいタール色素の黄4、青1で色付けされているからです。
またビーフジャーキーやサラミもつまみとして人気があります。しかしこれらにはハムやベーコンと同様に、黒ずみを防ぐために発色剤の亜硝酸Naが使われています。つまり発がん性物質を作るきっかけになるということです。
ミンティアなどの清涼菓子も危険性の高い合成甘味料がいくつも使われています。
ガムと同じくアスパルテーム、アセスルファムKが含まれ、脳腫瘍、白血病やリンパ腫を起こすという疑いや肝臓やリンパ球に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、スクラロースも含まれるため、リンパ球を減らすことが示唆されます。
ほかにも、香料や着色料、乳化剤、微粒酸化ケイ素などが使われているため、消化管などにどんな影響を及ぼすのか未知数です。
ドリンク類
炭酸飲料
コーラ
缶コーヒー
栄養ドリンク
エナジードリンク
黒酢飲料
サプリ飲料
ゼリー飲料

一部の炭酸飲料には、合成保存料の安息香酸Naが添加されています。
例えば「ファンタグレープ」にはこの安息香酸Naが使われています。
安息香酸Naは、ラットに一定量あたえると、痙攣や尿失禁などをおこして死んでしまうという物質です。使用している理由は、加熱殺菌をしない代わりに腐敗を防ぐためだと思われます。
炭酸飲料の中でも、特にダイエットタイプのコーラには、合成甘味料のアスパルテームやスクラロース、アセスルファムK、カラメル色素などが使われています。
調査によると、合成甘味料入りのダイエット飲料を1日1回以上飲んでいた人は、まったく飲まない人よりも虚血性の脳卒中やアルツハイマー病になる確率が焼く3倍も高かったということです。
缶コーヒーの微糖タイプのものは、砂糖の代わりに合成甘味料のアセスルファムKやスクラロースが添加されています。
微糖タイプでない缶コーヒーにも、カゼインNa、乳化剤、香料、ビタミンCなどが添加されています。カゼインNaはトロミをつける増粘剤で、これ自体はそれほど問題はありません。しかし、乳化剤や香料などを含め一括名表示になっていて具体名が表示されないため、何が使われているのか怪しいところです。
飲むのであれば、無糖・ブラックがよいでしょう。
栄養ドリンクやエナジードリンクと呼ばれるものには、合成保存料の安息香酸Naを含んだ製品が多くあります。
安息香酸Naは、ビタミンCなどと化学反応をおこして、人間に白血病をもたらすベンゼンに変化することがわかっています。そもそも栄養ドリンクは、本当に効いているのかも怪しいところです。
カフェインによる覚醒作用を勘違いしている可能性が高いです。
黒酢飲料は体に良さそうなイメージですが、合成甘味料のアスパルテームを添加しています。
アスパルテームは、アミノ酸のL-フェニルアラニンとアスパラギン酸、劇物のメチルアルコールを結合させてつくったもので、砂糖の180〜220倍の甘味があります。しかしアメリカでは脳腫瘍をおこす可能性があることが指摘されました。
アスパルテームなどの合成甘味料を添加していない黒酢飲料も売られているので、よく見て選ぶようにしましょう。
「ウコンの力」や「強強打破」などのサプリ飲料は、合成甘味料のアセスルファムKやアスパルテーム、スクラロースが添加されていることが多い製品です。また、そもそも「効く」という根拠がそれほどないため、プラシーボ効果によって「効いているような気がする」ということだと考えられます。
「クラッシュタイプの蒟蒻畑 ライト」や「inゼリーエネルギー」に代表されるゼリー飲料ですが、ゲル化剤の増粘多糖類によって、トロリとした液状になっています。
この増粘多糖類は、基本的にはブドウ糖がたくさん結合した多糖類なので、それほど毒性の強いものではありませんが、2品目以上使った場合は、具体名の表示が不要で「増粘多糖類」としか表示されないため、何が使われているのかわかりません。
また、合成甘味料のスクラロースやアセスルファムKが添加されていることも多いため注意が必要です。
まとめ
本書では、「食べてはいけない」添加物の食品と、「食べてはいけない」と「食べてもいい」の中間の添加物の食品、「食べてもいい」添加物および無添加の食品という章分けで書かれていますが、ここでは特に注意が必要な「食べてはいけない」添加物の食品について挙げていきました。
何度も登場してきた添加物については特に食品表示をよく見て避けるようにしたいところです。
発色剤の亜硝酸Na(亜硝酸ナトリウム)や赤色◯号、青色◯号、黄色◯号などの合成着色料は発がん性のリスクが伴います。
赤:赤2、赤3、赤40、赤102、赤104、赤105、赤106
青:青1、青2
黄:黄4、黄5
緑:緑3
色鮮やかすぎる食品は、これらの合成着色料が使われている可能性が高いため要注意です。
これらのタール色素の代わりに野菜色素を使っているものも売られているため、なるべくそのような食品を選ぶようにしましょう。
亜硝酸ナトリウムの使用が特に見られるハム、ベーコン、ウィンナーについては、最近では亜硝酸ナトリウムの添加していない、「無塩せき」のウィンナーやハム、ベーコンが増えてきました。買うなら「無塩せき」の製品を買うようにしましょう。
合成甘味料(人工甘味料)では、スクラロース、アセスルファムK(アセスルファムカリウム)、アスパルテームが特に注意です。腫瘍を引き起こすなどの影響が考えられます。
合成保存料では、ソルビン酸カリウムが使われているものがあります。これも細胞をがん化させる可能性があります。同じく合成保存料の安息香酸Na(安息香酸ナトリウム)は、白血病をもたらす可能性がある物質のひとつです。これらの保存料が使われていないか確認しましょう。
遠くの国から輸入される柑橘系などに使われる防カビ剤も発がん性リスクが懸念されるひとつです。
なるべく防カビ剤の使われていない国産のものを選ぶようにしましょう。
そのほかにも、香料、着色料、乳化剤、増粘多糖類など、具体的な表示がなく一括名表示になってしまうものもあるため、人体に影響があるものが含まれる可能性はあります。
また、店頭でバラ売り・量り売りされているもの、お弁当などの食品表示のない売られ方がされているものもあるため、どんなに注意してもキリがないという状態になってしまいます。
しかし、何の知識もなく何の注意もない状態よりは、本書で特に気をつけるべき添加物を知り、食べてもよい食品を知っているというのは毎日食事をする我々にとっては大事なことだとわかります。
そして食品表示を確認する、偏った食生活を改善する、コンビニへ行く回数を減らし自炊を増やすなど、習慣化することで、長いスパンで考えて将来の自分の健康に投資できるのではないでしょうか。
【内容情報】
いつも食べているあの食品は大丈夫? フレッシュな野菜の秘密は漂白剤、おいしいパンの食感は膨張剤……いつも食べている食品には添加物がいっぱい。それでも買いますか? 身近な食品144品目、食品添加物211種類を総チェックできる、87万部突破ベストセラーの新版です!身近なあの食品の添加物の実態を解き明かす
食品ジャーナリストとして活躍する渡辺雄二氏のベストセラーが大改訂、最新版のガイドです。
加工食品のパッケージに、小さな文字で羅列された表示。「ときどきチェックする」という人も多いでしょう。
では、そこに記された1つ1つの「食品添加物」が何に由来し、どんな用途で使われる物質なのか? どのくらい知っているでしょうか?
現在使用が認められている「食品添加物」の数は800品目超。ありとあらゆる加工食品に無節操に使われています。
「食べてはいけない添加物」と「食べてもいい添加物」の違いを知って選ぶ
「添加物はできるだけとらないようにしたほうがよい」というと、「そんなことをしたら、食べるものがなくなってしまうでは?」と心配する人もいます。確かに添加物をふくむ食品をすべて避けたら、食べるものがほとんどなくなってしまうでしょう。
しかし、心配ご無用です。できるだけ「食べてもいい」添加物が使われている食品を買う、という現実的な選択をすればよいのです。
バツ、サンカク、マルで評価! 直感的にわかりやすい!
そのために活用していただきたいのが、掲載食品数144品目、添加物211種類を総チェックできる本書。
「食べてはいけない添加物」「食べてもいい添加物」の違いがわかれば、おいしく食べて、健やかに暮らせます。【著者情報】
新版「食べてはいけない」「食べてもいい」添加物 内容紹介より
1954年生まれ、栃木県出身。千葉大学工学部合成化学科卒業。消費生活問題紙の記者をへて、1982年にフリーの科学ジャーナリストとなる。食品・環境・医療・バイオテクノロジーなどの諸問題を消費者の視点で提起し続け、雑誌や新聞に精力的に執筆。とりわけ食品添加物、合成洗剤、遺伝子組み換え食品に造詣が深く、全国各地で講演もおこなっている。著書には『子どもに「買ってはいけない」「買ってもいい」食品』『コンビニの買ってはいけない食品 買っても言い食品』『飲んではいけない飲みもの 飲んでもいい飲みもの』『買ってはいけないお菓子 買ってもいいお菓子』『買ってはいけないインスタント食品 買ってもいいインスタント食品』(以上、だいわ文庫)、『体を壊す10大食品添加物』(幻冬舎新書)、『食べるなら、どっち!?』(サンクチュアリ出版)、『加工食品の危険度調べました』(三才ブックス)、ミリオンセラーとなった『買ってはいけない』(共著、金曜日)などがある。

