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スマホ脳

書籍「スマホ脳」で学べる一番大事なことは、一言でいうと以下の1文です。

スマホはギャンブル同様中毒性があるから、OFFにする環境と適度な運動を生活習慣に取り入れることで上手に付き合うことができる

スマホとの正しい付き合い方が分かる10つの章

  1. 人類はスマホなしで歴史を作ってきた
  2. ストレス、恐怖、うつには役目がある
  3. スマホは私たちの最新のドラッグである
  4. 集中力こそ現代社会の貴重品
  5. スクリーンがメンタルヘルスや睡眠に与える影響
  6. SNS――現代最強の「インフルエンサー」
  7. バカになっていく子供たち
  8. 運動というスマートな対抗策
  9. 脳はスマホに適応するのか?
  10. おわりに

ポイント

本書は、スウェーデン出身の精神科医ハンセン・アンデシュが書いた脳科学の最新研究から分かるスマホの中毒性と悪影響、正しい付き合い方が分かる本です。現時点で13カ国で翻訳されている大ベストセラーです。

スマホ脳の原題は「Skärmhjärnan」というスウェーデン語です。Skärm(スクリーン) と hjärnan(脳) を合わせた造語と考えられます。つまりスマホ脳とは、「スクリーン(を見ちゃう)脳」という意味が強いでしょうか。英題は「InstaBrain」なので、ひょっとしたらスウェーデンで「Skärm」のつくSNSアプリが流行っている可能性もありますが。

本書はテレビ番組「世界一受けたい授業」でも取り上げられ、スマホの存在は現代病として影響を及ぼしている問題であるため非常に注目されている本です。

以下では本書で分かる特に重要な部分について解説したいと思います。

スマホの中毒性

スマホの現状

日本におけるスマホの利用率は年々高くなっており、91%もの人がスマホを使用しています。
20代・30代に関して言えば、98%もの人がスマホを使用しています。

モバイル機器等の利用率(全年代)
モバイル機器等の利用率(全年代・年代別)

参考:総務省情報通信政策研究所「令和元年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」

https://www.soumu.go.jp/iicp/research/results/media_usage-time.html

スマホを手にとってしまう理由

スマホをついつい手にとってしまう原因は脳の仕組みにあります。
脳は期待することを好みます。
よい情報を見つかるかもしれないという期待をしたり、新しい情報が得られるとスマホを手にすると、快楽を感じる物質の「ドーパミン」が放出されます。

この状況は、著者に言わせれば「ポケットに1日中利用できるカジノが入っているようなもの」ということです。
勝てるかもしれないというような不確実なものが、よりドーパミンを分泌させ興奮させる要因となります。
SNSでいいねがついているかと期待してアプリを開いてしまうのも、ギャンブル同様不確かしさに期待していることになります。
この期待感が刺激されて、中毒を誘うことになります。

スマホの悪影響

事件・事故

スマホの中毒性は大きな悪影響を及ぼします。
健康や、集中力や注意力などを損ない、事件・事故に発展しかねません。
2015年アメリカでは、15歳の息子のスマホを取り上げようとした母親が、殴打と首絞めで救急搬送され、息子は殺人未遂で逮捕されるという事件もありました。

また、日本におけるながらスマホによる交通事故も増えており、ここ10年で2倍に増えているといいます。

学習能力・記憶力・集中力の低下

2014年に行われたプリンストン大学の研究において、スピーチ動画を紙とペンでまとめるグループと、パソコンでまとめるグループとで比較した場合、紙とペンでまとめたアナログなグループの方が内容の理解度が高いことが分かりました。これは、紙とペンでまとめたグループの方が、内容を理解してから自分の言葉でまとめるのに対し、パソコンでまとめたグループは、スピーチをそのまま模写するようなまとめかたになってしまうような違いが出たためと見られています。

最近では、仕事のミーティング議事や、大学の講義などをスマホの写真で残しておくのも当たり前になってきている時代です。何か分からないことや忘れたことがあっても、スマホですぐに調べられる状態は、便利な一方でリスクもあります。脳が情報を覚えておく必要がないと判断して、記憶する力が衰えてしまうと、デジタル認知症になってしまう恐れがあります。

スマホは集中力の低下も招きます。
テキサス大学の実験では、スマホを机の上に置いたグループと置かないグループとでは、スマホを机の上に置いたグループの方のテストの成績が悪かったそうです。
これは脳がスマホの存在を無意識に感知しているため、集中したいときでも、スマホを無視しなければという意識で脳のエネルギーを使ってしまうため、集中力が発揮できないためだといいます。
これは、友達同士との食事などのときでも同様で、会話の集中力に影響を及ぼしているという結果も出ています。

ストレスと睡眠

アメリカのピッツバーグ大学2000人以上調査によると、SNSを2時間以上使う人と、30分未満の人と比較した場合に、2時間以上使う人の方が社会的孤独を感じやすいという結果が出ました。
SNSを長く使う人のほうが、ネガティブな情報を目にしたり、自信をなくす機会が多いため、ストレスが溜まりやすくなってしまいます。

スマホ依存は、人生にとって大切な睡眠にも影響しています。
ブルーライトの影響や、無意識でもスマホの存在に睡眠の質が下げられてしまいます
睡眠時間が短くなったり、不眠症につながることもあります。

これらのストレスや睡眠の質の低下は、健康にも害をもたらし、うつ病などにも発展しかねません。

なお、睡眠に関しては以下の記事で詳しく説明しています。

「スタンフォード式 最高の睡眠」から分かる一番大事なこと

スマホとの付き合い方

著者は、スマホ自体が悪いというような否定はしていません。
しかしながら、世界のIT企業のトップの多くは、わが子へのデジタルデバイスの使用を認めなかったり厳しく制限をしています。
Appleの創業者スティーブ・ジョブズもわが子にはiPadを触らせなかったといいます。
また、Facebookの「いいね」機能の開発者も、Facebookの成功には大きく寄与したが、「SNSの依存性の高さはヘロインに匹敵する」と発言しており、ユーザーからすれば良くないものと考えていることが分かります。

そのデジタルデバイスの代表格スマホと正しく付き合うために心がけるべきことは何でしょうか。

スマホと正しく付き合う方法
画面を白黒にする

著者はスマホの画面を白黒にすることに効果があるといいます。
ブルーライトを軽減させることはもちろん、スマホの画面を見ようという意欲を削ぐ効果があります。

寝室にスマホを持ち込まない

睡眠は人生の3分の1を費やすほど大事なものです。
その大切な睡眠の質を下げないためにも、スマホによる阻害要因を断ち切るのはとても重要なことです。
これはスマホのサイレントモードなどでは不十分で、スマホの存在を断つべきです。

寝る1時間前には電源をOFFにし、寝室には持ち込まないことです。
スマホを目覚ましのアラームとして利用している人は、目覚まし時計を買うことを勧めています。

運動

著者は特に生活習慣の中に運動を取り入れることを勧めています。
運動習慣のない人は、かんたんな運動を20分続けることを意識しましょう。

そして、1週間に2時間運動する習慣を持つとよいといいます。
もっと具体的には週に3回45分ずつ運動できるとよいということです。
運動は散歩やヨガ、ジョギング、筋トレなどどのような形でもよいです。

体を動かすことは、スマホによって生まれるストレスを軽減する効果があります。そして、スマホを触りたいという衝動を抑えるほどの集中力が高まります
ADHD(注意欠陥・多動性障害)を持つ人も、運動によって集中力が向上したという結果もあるくらいです。

また、筋トレは特に、体に適度にストレスをかける行為です。
筋トレをすることでストレス耐性が強くなり、大概のストレスは致命傷にならないくらいの心のエアーバッグができるといいます。

老若男女問わず、誰でもできる運動は、心身ともに強くすることに大きな効果をもたらすことがわかっています。

まとめ

日本人の91%もの人がスマホを使用しており、20代・30代は98%もの人がスマホを使用しているというのは冒頭でも述べたとおりです。
本書での数字で言えば、現代人は、1日平均2600回スマホに触り、10分に1回手に取っている計算になるそうです。スマホのスクリーンタイムは1日平均4時間に達し、特に10代の若者の2割は、スマホに1日7時間を費やしているという結果が出ています。

まずは現時点でのスマホの使用時間を知ることです。
1日2時間を超えるスクリーンタイムはうつのリスクを高めるということです。

iPhoneの人はApple標準で「スクリーンタイム」という機能を使ってスマホの利用時間を知ることができます。
Androidの人は、機種によりますが、「デジタルバランス」というスマホの利用時間を知ることができる機能があるデバイスもあります。

すでに中毒になっていると自覚したり、悪影響がありスマホ脳になっていると感じる人は、まず現状を知り、改善できるところがないか考え、運動などを生活習慣に取り込むことで治すことを考えましょう。

スマホはギャンブル同様中毒性があるから、OFFにする環境と適度な運動を生活習慣に取り入れることで上手に付き合うことができる

【内容情報】
平均で一日4時間、若者の2割は7時間も使うスマホ。だがスティーブ・ジョブズを筆頭に、IT業界のトップはわが子にデジタル・デバイスを与えないという。なぜか? 睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、依存
最新研究が明らかにするのはスマホの便利さに溺れているうちにあなたの脳が確実に蝕まれていく現実だ。教育大国スウェーデンを震撼させ、社会現象となった世界的ベストセラーがついに日本上陸。

【著者情報】
ハンセン,アンデシュ
1974年生まれ。スウェーデン・ストックホルム出身。前作『一流の頭脳』が人口一〇〇〇万人のスウェーデンで六〇万部の大ベストセラーとなり、世界的人気を得た精神科医。名門カロリンスカ医科大学で医学を学び、ストックホルム商科大学でMBA(経営学修士)を取得。

スマホ脳 内容紹介より

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