
株はずっと上がるもの
書籍「株はずっと上がるもの」で学べる一番大事なことは、一言でいうと以下の1文です。
まとめガイドは次のページで紹介しています。
株はずっと上がるもの 目次
- はじめに:株式投資がすべてを救う
- 第1章 株は上がるものである ―この事実を知っているかどうかが、資本主義を生きる鍵となる
- 第2章 「株は上がるようにできている」理由
- 第3章 日本株はこれから数年間のリターンが特に高いという確信とその根拠
- 第4章 株価を予想するということ
- 第5章 マーケットとの付き合い方
- 第6章 アクティブ運用や個別銘柄への投資をどう考えるか?
- 第7章 「儲かる株の見つけ方」教えます ―やっぱり高配当なのか
- 第8章 売り時をどう考えるか? バブル再考
- 第9章 株価が上がる本当の理由
- 少し長い「あとがき」にかえて ―暴落の予兆をつかむ努力
はじめに
著者の広木隆氏は、マネックス証券のチーフ・ストラテジストとして相場の最前線に立ち続けて40年。
上智大学外国語学部卒業後、神戸大学大学院にて経済学博士号を取得。国内銀行系投資顧問、外資系運用会社、ヘッジファンドなどさまざまな運用機関でファンドマネージャー等を歴任してきた、まさに「生きた株式市場の証人」とも言える人物です。
本書は2026年3月に日経BPから発売されるや、多くの投資家・投資初心者から「豊富なデータとブレない理論で説得力がすごい」「インデックス投資が強い構造的な理由をこれほどわかりやすく説明した本はほかにない」と高く評価されています。
「株はギャンブルだ」「暴落が怖くて手が出せない」という声が根強い一方で、著者はコロナショック、トランプ関税ショック、令和のブラックマンデーといった幾多の暴落を目の当たりにしながらも、「それでも株は上がるもの」と言い切ります。
感情論ではなく、150年以上の歴史的データと資本主義の構造を根拠としたその主張は、読者の投資への不安を根本から解消してくれます。
本書の核心を一言で言えば、本書タイトルそのままに「株はずっと上がるもの」です。
以下、本書の中でも特に重要な3つのポイントについて詳しく解説します。

重要な3つのポイント
「株は上がる」には構造的な理由がある
「株は上がる」には構造的な理由がある

「暴落したらどうするの?」「今は高すぎて怖い」——投資を始めようとしても、こうした不安が頭をよぎって一歩が踏み出せない人は多いでしょう。
著者はこの問題の根本を、「なぜ株が上がるのか」という仕組みを知らないことにあると指摘します。
仕組みを知らないまま投資すると、暴落のたびに感情に流されて売ってしまいます。
逆に、怖くて買えないまま現金を持ち続ければ、インフレによってお金の実質的な価値がじわじわと目減りしていきます。
著者が「はじめに」で記す通り、「資本のリターン>労働のリターン」という資本主義の構造が続く限り、株を持たない人は持つ人との格差を広げ続けることになるのです。
著者は株価が上がる理由を大きく「インフレ」と「本源的な要素」の2つから説明しています。
まずインフレについて。インフレとは単に「物価が上がること」ではなく、「お金の価値が下がること」です。
お金以外のすべてのもの——お米、マンション、金、そして株——の名目上の価格が相対的に上がるのは、貨幣制度上の必然です。
社会に必要とされる商売を行う企業は、コストに利幅を上乗せして売ることが可能であり、インフレが常態化した経済では企業の値上げも通りやすくなるため、売上高・利益も増えやすいと言えます。
次に本源的な要素として、著者は国家による株価の「下支え」を挙げます。
株価の暴落は失業や社会不安を招くため、国はリーマンショック時もコロナ禍時も、なりふり構わず金融緩和や財政出動を行い、株価を元の水準以上に戻してきました。
政策的に株価を下げ続けることはできないのです。
ノーベル経済学賞受賞のロバート・シラー教授のデータによると、1871年から150年超にわたるS&P500の年間リターンは平均6.5%。2度の世界大戦と世界大恐慌を含む数字です。
日経平均の過去50年間も年平均7%程度。
ブラックマンデー、ITバブル崩壊、リーマンショック、バブル崩壊をすべて含んだ実績です。
トマ・ピケティも『21世紀の資本』の中で「株式のリターンは6〜8%」と述べており、整合的です。
これは単なる希望ではなく、150年以上の歴史が積み上げた動かぬ事実です。
著者が提唱する「72の法則」を活用しましょう。72を金利(%)で割ると、資産が2倍になるまでの年数が概算で計算できます。
- 日経平均の年間リターンは平均7%
- 72 ÷ 7 ≒ 約10年で2倍
2026年時点で日経平均が約6万円とすれば、10年後の2036年には12万円に到達する計算になります(著者は書籍執筆当時5万円台から計算し「2032年に10万円」と断言)。
「時間を味方につけること」こそが、最も確実な投資の戦略なのです
「プロスペクト理論」を知れば、投資の失敗は半分減る
「プロスペクト理論」を知れば、投資の失敗は半分減る

「買ったとたんに株価が下がった」「少し上がったのですぐ売ってしまい、その後もっと上がった」——多くの投資家が陥るこのパターン。
著者は第4章で、これが人間の心理の構造的な問題であると明快に説明します。
著者が紹介するのが行動経済学の「プロスペクト理論」です。
これは、人は利益の喜びより、損失の痛みを2倍以上に強く感じるという心理的特性を示した理論です(ノーベル賞受賞のダニエル・カーネマンが提唱)。
たとえば10万円の利益を得た喜びよりも、10万円の損失の痛みのほうがはるかに大きく感じられる。
だから株価が少し下がっただけで「損をしたくない」と売ってしまい、少し上がったら「もっと下がる前に売ろう」と早々に利益確定してしまう。
この感情的な行動が、長期的な資産形成を妨げる最大の敵なのです。
著者は「期間を区切らない予想には意味がない」と述べます。
「株が上がるか下がるか」という問いに意味があるのは、期間を明確にしたときだけ。
短期(数日〜数か月)の予測は誰にもできませんが、長期(10年以上)では「上がる」という答えは、150年のデータが証明してくれています。
「理屈で説明できること、できないこと」を区別することが重要です。
短期の株価変動は予測不能(説明できないこと)。
しかし長期の方向性はデータで裏付けられた合理的な判断ができる(説明できること)。
この区別ができれば、暴落に動じる必要はありません。
プロスペクト理論を知ることの最大のメリットは、「なぜ自分が感情的な判断をしてしまうのか」を客観的に理解できることです。
人間は生物学的にリスク回避に偏っているという事実を受け入れれば、感情が揺れても行動を変えずにいられる「精神的な防具」を手に入れられます。
- 株価が下がっても「仕組みとして上がるもの」だと思い出す
- 短期の下落は長期の上昇トレンドの中の「ノイズ」に過ぎない
- インデックスファンドの積み立てを選ぶ
- 感情的な判断を排除できる自動化の仕組みを作る
- 売る理由を事前に決めておく
- 「◯%下落したら見直す」など、感情ではなくルールで動く
「高配当株」が強い本当の理由
「高配当株」が強い本当の理由

「高配当株は危険」「配当で釣る株は罠だ」という言説がある一方で、長期データを見ると高配当株は一貫して市場平均を上回るパフォーマンスを示しています。
著者は第7章で、この矛盾を解き明かし、なぜ高配当株が強いのかを理論的に説明しています。
多くの投資家が「配当利回りが高い=株価が下がっている危険な株」と誤解しています。
しかし著者はむしろ逆の見方を示します。
高配当を維持し続けられる企業とは、安定したキャッシュフローを生み出し続けられる、本物の強い企業だということです。
高配当を「危険のシグナル」と見るか「強さの証明」と見るかで、投資の結果は大きく変わります。
著者が第6章で指摘する「サバイバル・バイアス」を理解することが重要です。
インデックスに組み込まれている企業群は「生き残った勝ち組」です。
倒産しそうな企業は指数から除外され、成長する新興企業が組み入れられるという新陳代謝の仕組みが働いている。
だからこそ、インデックスは長期で上がり続けるのです。
S&P500の過去データでは、上位わずか4%の銘柄が市場全体の利益を押し上げています。
インデックス投資は、この「大勝ち銘柄を逃さない」仕組みを持っています。
負け組は淘汰され、勝ち組が指数を押し上げる――これがサバイバル・バイアスを活用した投資法の本質です。
高配当株が強いのには、もう一つ理由があります。
配当という「手元に届く確実な利益」は、株価変動に伴う感情的なブレを抑制してくれます。
株価が下がっても、配当が振り込まれることで「持ち続けよう」という合理的な判断をしやすくなる。
つまり高配当株は、プロスペクト理論の落とし穴にはまりにくい構造を持っているのです。
- 配当利回りだけでなく、配当の継続性・増配実績を確認する
- 10年以上連続して増配している「連続増配株」は特に注目
- 「高配当だから危険」という先入観を捨てる
- 配当が維持できる企業の財務健全性を見極めることが本質
- 第9章「株価が上がる本当の理由」を意識する
- 株価は最終的に企業の本源的価値(稼ぐ力)に収束する。強い企業を持ち続けることが長期投資の王道
重要ポイント+1
投資は未来の自分へのプレゼント
本書で特に印象的なのは、「はじめに」で語られる著者の投資哲学です。
「資本主義は大きな転換点に差し掛かっている」「AI失業が本格化すれば労働の価値は低下する」——そうした時代の変化を見据えながら、著者は「だからこそ今こそ株式投資だ」と説きます。
「一番簡単なその方法は株を買うことです。マルクスの時代に資本家になるのは難しかったでしょう。しかし、現代では誰もが資本家になれます。インターネットで、手数料ゼロで少額から株を購入できます。」
また、「色即是空とファイナンス理論」という独特の章立てが示すように、本書は単なる投資ハウツー本ではありません。
マーケットの本質を仏教哲学や経済学の両面から探求する知的な深みも持っています。
著者のもう一つのユニークな視点は、「投資は未来の自分へのプレゼント」という言葉に集約されています。
株を買うことは、AIや企業の頑張りを応援し、その恩恵を受け取ること。
つまり人類の向上心という大きな流れに乗ることだと著者は言います。
まとめ
本書は、「なぜ株は長期で上がり続けるのか」という根本的な問いに、40年のキャリアと経済学の理論で答えた一冊です。
①インフレという構造的な力と国家の下支えによって株価は上がり続けること
②人間のプロスペクト理論を理解して感情的な売買を避けること
③強い企業の高配当株こそが長期投資の武器になること
この3つのポイントを実践することで、誰でも「資本のリターン」を享受できる側に回れると著者は説きます。
読者からは「暴落に動じなくなった」「投資をギャンブルではなく仕組みとして理解できた」という声が多く聞かれます。
特に「インフレとは現金の価値が下がること=投資しないことが最大のリスク」という逆転の発想が、多くの人の背中を押したとのことです。
「豊富なデータとブレない理論で説得力がすごい」というレビューが示す通り、感情論ではなくファクトで投資への不安を解消してくれる一冊として高評価を得ています。
著者は「株式投資がすべてを救う」という言葉で本書を締めくくっています。
格差社会、AI失業、インフレ——現代の様々な経済問題に対して、個人ができる最も有効な対処法が株式投資だというのが著者の確信です。
それは投機でも一攫千金でもなく、「人類の向上心という大きな流れに乗ること」——このシンプルな真理を、40年のキャリアを持つプロが届けてくれる一冊です。
株は上がるものです。
それは偶然でも楽観論でもなく、人間の向上心という揺るぎない事実に根ざした必然なのです。
【内容情報】
「なぜ株は上がるもの」と言い切れるのか、そのロジックを3つの視点から解説。資本主義を生きる鍵となる株式投資を平易に教えます。相場人生40年の集大成!銘柄選択から、株の売り方、バブルや暴落への心構え&行動まで徹底解説!アカデミックな理論に裏打ちされた高度な投資法や、多くの投資家がチェックしている「高配当株」投資の本質についても、他の本では触れられていないポイントから書かれています。
【著者情報】
広木 隆(ひろき・たかし)
マネックス証券チーフ・ストラテジスト。1963年東京生まれ。上智大学外国語学部卒業。神戸大学大学院・経済学研究科・博士後期課程修了。博士(経済学)。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、社会構想大学院大学教授。大手証券会社、銀行系投資顧問、外資系運用会社など様々な金融機関でファンドマネージャー、ストラテジスト等を歴任。40年にわたって証券市場の最前線で働く。著書に『9割の負け組から脱出する投資の思考法』(ダイヤモンド社)、『利回り5%配当生活』(かんき出版)など多数。
株はずっと上がるもの 内容紹介より
参考
まとめガイドは次のページで紹介します。







