【究極の要約】『「言いにくいこと」をうまく伝える』から分かる一番大事なこと
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「言いにくいこと」をうまく伝える

書籍『「言いにくいこと」をうまく伝える』で学べる一番大事なことは、一言でいうと以下の1文です。

2分で不安が消える。『パワーポーズ』で心を整え、『問題』を倒す協力者になろう。

まとめガイドは次のページで紹介しています。

「言いにくいこと」をうまく伝える 目次

◆第1章:部下を萎縮させる「NG対応」をやめることから始めよう
◆第2章:部下が自ら成長する対話の「仕込み」術――「QFB–3SC」コーチングメソッド
◆第3章:クセのある相手との対話の「仕込み」術
◆第4章:部下に心穏やかにフィードバックする方法――BRIDGEワーク
◆第5章:「言えない」が「言える」に変わる身体と心の「仕込み」術

はじめに

「言いにくいこと」をうまく伝える 最高の一日が一生続く技術

現代のビジネスシーンにおいて、多くのマネージャーやリーダーが同じ悩みを抱えています。
「反発されたらどうしよう」「パワハラと言われたらどうしよう」「明日から来なくなるかも」
——部下にフィードバックをする際、こうした不安が先に立ち、言うべきことを先延ばしにしてしまう経験はありませんか。
特にまじめでやさしいマネージャーほど、この緊張感に苦しんでいます。

本書『「言いにくいこと」をうまく伝える』は、コミュニケーショントレーナーとして指導歴20年以上、延べ1万人を超えるビジネスパーソンを指導してきた司拓也氏が、部下を傷つけず、パワハラとも受け取られることなく、「言いにくいこと」や「耳の痛いこと」を上手に伝える技術を徹底解説した一冊です。

著者自身、幼少期のいじめや、働く中で経験したモラハラ・パワハラから、対人関係における伝え方の重要性を痛感し、「信頼を得ながら成果を出す伝え方」の研究と実践を重ねてきました。
本書で紹介されるのは、単に叱ったり、我慢して教え続けたりするのではなく、相手の心に届く「言い方」や「タイミング」を最適化するための"目に見えない緻密な準備"、すなわち「仕込み」の技術です。

この技術を身につけることで、言いにくい場面を乗り越えられるだけでなく、部下は自ら考え、自然に動き出すようになり、指導が驚くほど楽になります。
本記事では、この「仕込み」の技術の中でも特に重要な3つのポイントについて、具体的な例とともに詳しく解説していきます。

対立を協働に変える「身体のハック」

対立を協働に変える「身体のハック」3ステップ

部下へのフィードバックをためらうとき、心臓がドキドキしたり、手に汗がにじんだりするのは、「危険を回避しろ」という身体の防衛プログラムが作動しているためです。
多くの人は、この不安をメンタルの問題だと考え、気持ちの持ち方を変えようとします。
しかし、著者は全く異なるアプローチを提案しています。

メンタルトレーニングのような「心」へのアプローチだけでは、即座に不安を解消することは困難です。
不安や恐怖を感じているとき、人間は猫背気味になったり、肩が内側に入ったりする典型的な「防御姿勢」をとってしまいます。
この防御姿勢は、脳に「いまは危険な状況だ」という信号を送り続け、自ら不安を増幅させてしまうのです。

著者は、こうした悩みは「身体」を「ハック」することでシンプルかつ効果的に解決できると述べています。具体的には、以下の3つのステップで不安を解消します。

ハーバード・ビジネス・スクールの心理学者エイミー・カディ氏の研究により、パワーポーズを2分間とるだけで、自信を高めるホルモンであるテストステロンが20%上昇し、ストレスホルモンであるコルチゾールが25%減少することが科学的に証明されています。つまり、姿勢を変えるだけで、体内のホルモンバランスが変化し、実際に自信がつき、不安が減少するのです。

そのためにどんなアクションをするとよいか

【ステップ1】身体の「姿勢」を変える――不安は「形」から消していく

防御姿勢から脱却するために、姿勢を意図的に"逆の状態"に変える、「パワーポーズ」をとります。

具体的なアクション:

  • 背筋を伸ばし、胸を張り、肩甲骨を少し寄せるイメージを持つ
  • 顎を少し引き、視線を水平か、やや上に向ける
  • 両足を肩幅に開き、しっかりと地面を踏みしめ、重心を安定させる
  • フィードバック前のトイレや会議室に入る前の廊下で、たった2分間このポーズをとる

【ステップ2】相手との「位置」を変える――対立から協働へ

多くのマネージャーが部下と「対面」で話をしようとしますが、「対面」の位置関係は心理的な対立構造を生み出しやすいものです。
関係性を「対立」から「協働」へと変化させるためには、相手の「横」に座ることが大切です。

具体的なアクション:

  • カフェやオープンスペースのカウンター席に並んで座る
  • 会議室であれば、テーブルの角を挟んで90度の位置に座る
  • ホワイトボードやPCの画面を一緒に見ながら話す
  • 「一緒に問題を見る」という物理的な配置にする

【ステップ3】心の中の「敵」を変える――問題こそが、倒すべき相手

フィードバックが怖いのは、無意識のうちに「部下そのもの」を敵とみなしてしまっているからです。しかし、戦うべき本当の敵は、部下ではなく、二人の間に横たわる「問題」や「課題」であるという視点に立つべきです。

具体的な例:

  • NG:「報告書の提出期限を守らない部下」(部下を敵視)
  • OK:「提出期限が守られないという"状況"」(問題を敵視)

この視点転換により、言葉は自然と変わり、部下と共に問題解決を目指す姿勢が生まれます。

感情的にならず事実に基づき提案する DESC法を活用した伝え方

DESC法を活用した伝え方

感情的な指摘(例:「なんでこんなミスをしたんだ?」)や抽象的な指摘(例:「もう少し頑張ってくれ」)は、部下を委縮させたり、何を改善すべきか分からなくさせたりするNGフィードバックの典型です。

一方的な感情表現や曖昧な指示では、部下は具体的に何をどう改善すべきかが分からず、結果として同じミスを繰り返します。
また、攻撃的な言い方は関係性を悪化させ、今後のコミュニケーションを困難にします。

DESC法は、相手を不快にすることなく自分の言いたいことを伝え、納得感を持たせる会話技法です。
アメリカの心理学者ゴードン・バウアーらによって提唱されたこの手法は、「Describe(描写する)」「Express(説明する)」「Suggest(提案する)」「Choose(選択する)」の4つのステップで会話を展開します。

DESC法を活用し、事実、自分の気持ち、具体的な改善策、そしてその結果を順序立てて伝えることで、部下が納得して前向きに行動を変えやすくなります。これは、相手を評価せず事実に基づき、「攻撃」ではなく「協力依頼」の姿勢を持つという本書の原則に合致しています。

そのためにどんなアクションをするとよいか

【ステップ1】Describe(描写する)――事実のみの伝達

感情を入れず、解決しようとしている課題の現状や相手の行動を客観的に描写した事実のみを伝えます。

  • NG例(推測・感情):「君はいつも時間を守らない」
  • OK例(事実):「先週の報告書の提出が、期限を2時間過ぎていたという事実について話したい」

ポイント:「〜だと思う」「かもしれない」のような推測や、自分の考えや気持ちは入れず、あくまで客観的な事実のみを伝える

【ステップ2】Express(説明する)――Iメッセージの使用

描写した内容に対する自分の意見や感じていることを正直に伝えます。主語を自分にした「私メッセージ(Iメッセージ)」を用いることで、相手への攻撃性を避けられます。

  • NG例(相手への批判):「君のせいでチームの進捗が遅れた」
  • OK例(Iメッセージ/影響):「提出が遅れると、私が全体の進捗確認に遅れが生じてしまい、少し困ってしまう

ポイント:「あなたは〜」ではなく、「私は〜と感じた」「私は〜と思う」という表現を使う

【ステップ3】Suggest(提案する)――具体的な行動レベルの提案

課題を解決するためのアイデアや、対応してもらいたいことを具体的に伝えます。あくまで提案であり、命令や強制にならないよう注意します。

  • NG例(抽象的):「時間を守ってください」
  • OK例(具体的な行動):「明日の会議は10時開始なので、5分前の9時55分までには席について準備を完了してほしい

ポイント:「どうすればいいか」を明確に伝えることで、相手に理解や納得を促せる

【ステップ4】Choose(選択する/結果を伝える)――メリットの明示

こちらの提案を受け入れた場合と受け入れなかった場合、それぞれに対して結果や選択肢を示します。これにより、改善によるメリットを明示し、部下に前向きなイメージを持たせることができます。

  • OK例(結果を明示):「そうすることでチーム全体の準備が整い、より有意義なミーティングになります

ポイント:脅しではなく、ポジティブな未来を示すことで、相手が自発的に行動を変えるモチベーションを生む

関係性を壊さずに「断る」「代わりにできること」を伝える技術

「断る」「代わりにできること」を伝える技術

言いにくいことの多くは、批判や注意だけでなく、依頼や交渉、そして「断り」の場面に現れます。
多くの人が人間関係を壊したくないために、自分の意見を主張しない傾向があります。
自分の考えをストレートに伝えた結果、相手に否定や誤解をされたり、人間関係を損ねたりすることを恐れる人は少なくありません。

一方的に拒否したり、ストレートに反対意見を述べたりすると、相手の期待を裏切ることになり、関係性が悪化する可能性があります。
特に、上司や顧客からの依頼を断る際、「できません」と言い切ってしまうと、協力的でない印象を与えてしまいます。

関係を損なわずに自分の考えや意見を伝えるためには、相手への敬意や共感を示しつつ「前向きな言い方」を心掛けることが重要です。また、一方的に拒否するのではなく、代替案の提示も有効です。

クッション言葉と感謝を前置きすることで、相手の気持ちを和らげ、その後の率直な意見も受け入れやすくなります。
また、代替案を提示することで、「協力したい」という姿勢を示すことができ、関係性を維持しながら自分の主張を通すことができます。

そのためにどんなアクションをするとよいか

クッション言葉と感謝で前置きをする

率直な言い方をする前に、相手の気持ちを和らげる一言を添えます。断る際や反対意見を述べる際には、まず相手への感謝や配慮を伝えます。

  • NG例(ストレートな断り):「私にはできません。」
  • OK例(前置きと代替案の提示):「御期待くださるのは大変うれしいのですが、私にはできません。ほかのことでしたら、お力になりたいと思います。」

否定ではなく、前向きな言葉に言い換える

相手の意見を否定する言葉を避け、前向きな言葉で可能性や期待を示すように言い換えます。

  • NG例(否定的な指摘):「目標が低すぎるんじゃないか。」
  • OK例(前向きな期待):「君ならもっと高い目標を立てられると思うよ。」

意見を尊重しつつ、自分の立場を明確にする

相手の意見を頭から否定せず、まずは受け止める姿勢を示してから、自分の意見を主張します。

  • NG例(ストレートな反対):「私は反対です。」
  • OK例(意見を尊重しつつ反対):「とても参考になる御意見でしたが、この件に限っては、私は反対です。」

代替案を複数用意する

断る場合でも、代わりにできることや、別の解決策を提示することで、協力的な姿勢を示します。

  • NG例(一方的な断り):「今日は残業できません。」
  • OK例(代替案の提示):「今日は体調を優先させてください。その代わり、明日の朝早く来て、フレッシュな状態でしっかり作業できるようにしますね。」

その他実践したい役立ちポイント

SBIモデルとの使い分け

DESC法が主に改善や問題解決の提案に特化しているのに対し、フィードバックにはSBIモデル(状況、行動、影響)も活用できます。
SBIモデルは、良かった点についても具体的な事実とその影響を論理的に伝えることができるため、部下が自分の成功行動を明確に理解し、再現性を高めるのに役立ちます。

SBIモデルの成功例(ポジティブフィードバック): 「(Situation)先週のクライアントとの打ち合わせの際に、(Behavior)あなたは相手の話を最後までよく聞き、適切な質問をしていましたね。(Impact)その結果、クライアントも満足し、スムーズに契約の話が進みました。」

「仕込み」に含まれる非言語の重要性

本書のいう「仕込み」とは、言葉の技術だけでなく、相手の気づきを促す問いかけ、声のトーン、表情といった非言語の要素も含む、目に見えない緻密な準備のことです。
コミュニケーションは、言葉によるもの(言語)、声量や声の質などの言葉の周辺にあるもの、そして表情や姿勢、視線などの言葉以外のもの、これらを組み合わせて行われます。

特に言いにくいことを伝える場面では、パワーポーズで整えた姿勢協働的な位置関係といった非言語要素が、言葉を受け入れやすくする土台となります。
著者は、これらすべてを含めた「仕込み」によって、相手を傷つけることなく"言いにくいこと"を伝え、相手を前向きな気持ちにさせて動かす技術を体系化しました。

実践のポイント

本書で紹介される技術は、特別な才能やカリスマ性がなくても習得可能です。著者自身が、自己肯定感が低く伝えることが苦手だった経験から、これらの技術を使いこなせるようになったと語っています。大切なのは、「部下そのもの」ではなく「問題」を共に解決する協力者になるという姿勢です。

まとめ

『「言いにくいこと」をうまく伝える』は、言いにくい場面での不安や対立を解消し、相手の自発的な成長を促すための「仕込み」の技術を提供しています。
中核となるのは、不安を「パワーポーズ」などの身体的なアプローチで解決する即効性のある方法(2分間で自信が20%向上、ストレスが25%減少)と、DESC法やIメッセージを活用し、相手を評価せず「問題」の解決に向けた「協力依頼」として伝えるコミュニケーション術です。

さらに、対面ではなく横並びの位置関係を作ることで、心理的な対立構造を協働関係に変え、「部下そのもの」ではなく「問題」を敵とみなす視点転換により、自然と協力的な言葉が生まれます。
これらの技術により、人間関係を壊すことなく、課題解決を早め、上司・部下の信頼関係を強化できます。

本書の大きな特徴は、言いにくいことを伝える際の心理的な障壁を、メンタルの問題ではなく、姿勢や位置関係を変える「身体のハック」という具体的な行動で克服できると示している点です。
特に、たった2分間のパワーポーズで自信を高め、不安を減少させられるという科学的な裏付けは、即座に実践可能な強力なノウハウです。

DESC法の4ステップも、感情的にならず事実に基づいて伝える枠組みとして非常に有効です。
特に、Express(説明する)のステップでIメッセージを使うことで、相手を責めずに自分の気持ちを伝えられる点は、多くのマネージャーが直面する「どう言えば伝わるか」という悩みに対する明確な答えとなっています。

この「仕込み」の技術は、特別な才能やカリスマ性がなくても習得可能であり、自己肯定感が低く伝えることが苦手だった著者自身が使いこなせるようになったと語られています。
これは、部下への指導に悩むすべての人に対し、不安から解放され、部下が自ら動き出す理想的な関係性を築けるという、強いメッセージが込められています。

著者は、幼少期のいじめや社会人時代のハラスメント体験から、「人の心を誘導し、相手を怒らせずにいじめやハラスメントを受けない方法」を見つけ出すという強い思いで、心理学やコミュニケーションスキルを貪欲に探求してきました。
その結果生まれた本書の技術は、単なるビジネススキルではなく、人生を変える力を持つものだと言えます。

本書を通じて最も重要なのは、フィードバックを通じて部下と協力関係を築き、「問題」を共に解決する姿勢です。不安を解消し、対立を避けるための緻密な準備こそが、相手の心に届く対話の前提となります。

パワーポーズで身体を整え、横並びの位置で協働の姿勢を作り、DESC法で事実に基づいて提案する——これらすべての「仕込み」が、相手を前向きな気持ちにさせて動かす力となるのです。

2分で不安が消える。『パワーポーズ』で心を整え、『問題』を倒す協力者になろう。

【内容情報】
日本随一のコミュニケーショントレーナーが教える、指示・命令・依頼を、ストレスフリーで的確に伝える技術。上司・リーダー必読!パワハラ、モラハラを気にしすぎて、言いたいことが言えないあなたへ―。

◆上司・リーダー必読!「パワハラ」「モラハラ」を気にしすぎて、言いたいことが言えないあなたへー。
◆日本で随一のコミュニケーショントレーナーが教える、こちらの指示・命令・依頼を、ストレスフリーで的確に伝える技術。
~心理学に基づいた、いい人材が育つ言葉&話し方~
◆【言いにくいことをうまく伝える5つのポイント】
①言葉の選び方 
②伝えるタイミング
③声のトーン 
④相手の状況や心理状態への配慮
⑤自身のメンタルコントロール
これでもう、パワハラやモラハラを怖がらなくていい。強くならなくていい

【著者情報】
司拓也(ツカサタクヤ)
コミュニケーショントレーナー・研修講師。声と話し方の学校「ボイス・オブ・フロンティア」代表。指導歴20年以上、延べ1万人を超えるビジネスパーソンを指導。行動心理学・コミュニケーション技法を融合させ、相手に攻撃されずに「言いたいことを正しく伝える」独自のメソッドを確立。さらに、相手を傷つけることなく“言いにくいこと”を伝え、相手を前向きな気持ちにさせて動かす技術を体系化した。現在は、管理職やチームリーダーを対象に、ハラスメントリスクを回避しつつ組織目標を達成するための指導・フィードバック研修を展開。1on1面談、チーム会議、部下指導など、現場で即座に活用できる実践的な研修スタイルで、企業経営者やマネージャー層から高い評価を得ている

「言いにくいこと」をうまく伝える 内容紹介より

参考

まとめガイドは次のページで紹介します。


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