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マレーなど様々な欲求リストから大切なことを考察

人が抱く欲求でよく言われるのは、「三大欲求(食欲・睡眠欲・性欲)」だと思いますが、他にも様々なまとめ方がされています。

ブッダの七つの欲求
  1. 食欲(食べたい)
  2. 睡眠欲(眠りたい)
  3. 性欲(交わりたい)
  4. 承認欲(認められたい)
  5. 生存欲(生きたい)
  6. 怠惰欲(楽をしたい)
  7. 感楽欲(感覚の快楽を味わいたい)
マズローの欲求5段階(自己実現理論)
マズローの5段階欲求
  • 自己実現欲求
  • 承認欲求(尊重の欲求)
  • 社会的欲求(所属と愛の欲求)
  • 安全欲求
  • 生理的欲求

その中でも、マレーの欲求リストは細分化されており、生理的欲求と社会的欲求に分類しています。
このマレーの社会的欲求は日本人の研究によって更に細分化されています。
今回はこれらの一番細分化された状態の欲求リストを紹介しつつ、人生で大事なこととして考察していきたいと思います。

マレーの欲求リスト+アルファ

アメリカの心理学者ヘンリー・A・マレーは、欲求について初めてリスト化した人物です。
人間が抱く欲求を、大きく12種類の「生理的欲求(臓器発生的欲求)」と28種類「社会的欲求(心理発生的欲求)」の計40種類に分類しました。

生理的欲求(臓器発生的欲求)

欠乏から求める摂取欲求
1吸気欲求酸素を求める
2飲水欲求水を求める
3食物欲求 食べ物を求める
4感性欲求身体的な感覚を求め、楽しみたい
欠乏から求める摂取欲求
膨張から求める排泄欲求
5排尿・排便欲求尿や便を排泄したい
6性的欲求性的関係・快楽を得たい
7呼気欲求息を吐きたい
8授乳欲求授乳したい
膨張から求める排泄欲求
危機から求める回避欲求
9暑熱回避欲求適正体温を維持したい
10寒冷回避欲求適正体温を維持したい
11毒性回避欲求有毒物を回避し逃れたい
12障害回避欲求病気・怪我・死を避けたい
危機から求める回避欲求

社会的欲求(心理発生的欲求)

マレーはこの社会的欲求について28種類に分類しまいますが、日本人(荻野・齊藤)によって更に細分化された59種類を紹介します。

優越支配欲求(能動的 - 権勢的)
1自尊欲求自尊心を傷つけたくない
2競争欲求争いたい・競いたい
3優越欲求 優越感を得たい
4攻撃欲求相手を攻撃したい
5反発欲求やり返したい
6流行欲求流行の先端にいたい
7自己顕示欲求注目に得たい・評判になりたい
8指導欲求集団をまとめたい
9名誉欲求社会的名誉ある地位につきたい
10支配欲求命令したい・指示をしたい
11権力欲求社会で活躍する権力が欲しい
優越支配欲求(能動的 - 権勢的)
情的支配欲求(能動的 - 権勢的)
12愛情欲求愛する人のためになりたい
13恋愛欲求好きな人から好かれたい
14愉楽欲求 騒いだり楽しみたい
15自由欲求縛りなく自由にしたい
16自己表現欲求個性を出したい
17不満解消欲求気分転換したい
情的支配欲求(能動的 - 権勢的)
積極的活動欲求(能動的 - 非権勢的)
18達成欲求困難を乗り越えて目標を達成したい
19内罰欲求至らない点を反省したい
20自己成長欲求 自分を成長・充実させたい
21持続欲求最後まで根気よく続けたい
22自己実現欲求計画を立てて努力したい
23知識欲求多くを学び知識を増やしたい
24自己主張欲求正しいと思うことを主張したい
25批判欲求人の悪事を指摘したい・正したい
26趣味欲求生きがいになる趣味を持ちたい
27感性欲求感動したい
28理解欲求ものごとの因果関係を理解したい
29他者認知欲求他者の性格やプライバシーを知りたい
30好奇欲求新しい・珍しいことを経験したい
積極的活動欲求(能動的 - 非権勢的)
関係形成欲求(能動的 - 非権勢的)
31秩序欲求規則を守りたい
32援助欲求面倒をみたい・世話をしたい
33集団貢献欲求 所属している集団のために尽力したい
34社会貢献欲求社会のために貢献したい
35教授欲求得意分野について人に教えたい
36自己認知欲求自分の性格を知りたい・理解したい
37承認欲求多くの人から好かれたい・認められたい
38自己開示親しい人に自分を知ってほしい
関係形成欲求(能動的 - 非権勢的)
保身的欲求(受動的)
39屈辱回避欲求屈辱を受けたくない
40同調欲求周りと同じことをしたい
41嫌悪回避欲求 嫌悪感を持たれたくない
42批判回避欲求批判されたくない
43服従欲求指示に従いたい
44優位欲求自分より劣った人といたい
45譲歩欲求争いを避けるために譲りたい
46安心欲求失敗や心配を避けたい・安心したい
47気楽欲求無理をせずのんびりしたい
48挑戦欲求危険なことでも挑戦したい
49安全欲求危険や恐ろしいことを避けたい
50拒否欲求嫌いな人に近づきたくない
51金銭欲求お金を確保したい
52生活安定欲求安定した生活を送りたい
保身的欲求(受動的)
協調欲求(受動的)
53依存欲求他者に助けてもらいたい
54親和欲求他者と交流を深めたい
55協力欲求 他者と協力し合いたい
56孤立欲求1人でいたい
57恭順欲求信頼できる指導者に従いたい・会いたい
58自己規制欲求誠実で規則正しい生活をしたい
59迷惑回避欲求人に迷惑をかけたくない
協調欲求(受動的)

多変量解析からみた心理発生的欲求の分類と構造(人文・社会科学編) 白梅学園大学・短期大学図書館より

まとめ

欲求・欲望というと「煩悩」が挙げられることがあります。

煩悩

煩悩とは人が持つ108つの煩わせ悩ませるものを言い、除夜の鐘はその煩悩を祓うために108回叩くと言われています。

その煩悩の数は以下の計算式で求められます。

六根(6) × 三不同(3) × 洗浄(2) × 三世(3) = 煩悩(108)
  • 六根:6つの感覚器官{眼・耳・鼻・舌・身・意}
  • 三不同:好き、嫌い、どちらでもない{好(良)・悪・平}
  • 洗浄:三不同の程度 きれいか汚れているか{浄・染}
  • 三世:過去、現在、未来{前世・今世・来世}

瀬戸内寂聴の言葉があります。

私たちが抱いている煩悩が欲望を生み、欲望が執着を生み、執着が苦を生みます。私たちの苦しみのほとんどの原因は、煩悩から生まれる欲望や執着なのです。

瀬戸内寂聴

煩悩=欲望という訳ではなく、煩悩から欲望が生まれるという構図のようです。

大事なこと

人が抱く欲求・欲望を紐解いていくと、広く見積もって、12種類の「生理的欲求(臓器発生的欲求)」と59種類「社会的欲求(心理発生的欲求)」の計71種類に分類することができました。

今ある情報の中で言えば、人が持つ108つの煩悩から、いくつもの欲望・欲求が生まれ、それらは71に分類できると言えます。

さて、この分類は、様々ところで役立てることができます。
ビジネスシーンでは、新規事業を考える上で市場ニーズを調査したり、プロジェクトにおける顧客のニーズを調査したりできるでしょう。
そして人生における自己分析でも大いに役立てることができるでしょう。
現在悩みや問題を抱えている人にとって、この分類が直接的に解決できるものというわけではありません。しかし、問題を解消したり、より良くしようと考えて、自己分析する場合には大きく役立てることができます。
社会的欲求に関しては、人によって強弱が異なるでしょうし、時代や状況でも変わることでしょうが、この分類と照らし合わせることで、自分の傾向や、関係する他者の傾向なども見えてくるかもしれません。

分類の仕方は様々です。
既に分類されているものでも、能動的なものか、受動的なものか、段階的なものかなど様々な目線があることが分かります。
欲求を満たすまでの期間(短期・中期・長期)で見ることもできるかもしれません。
その中でも、ポジティブな項目に注目し、一瞬の快楽が得られる欲求なのか、充足感が得られる欲求なのかを分析することはおすすめです。

今持っている特に強い欲求をリストアップし、優先順位をつけます。
そして、一時の快楽として満たしたいのか、継続的に満たしたいのか、充足感を得たいのかなど考えます。

例えば就職や転職に向けて、適職を考えている場合を想定すると分かりやすいかもしれません。
最終的に充足感を得たいものとして、援助欲求や集団貢献欲求、教授欲求などが高ければ、教師などは向いているかもしれません。その中で愉楽欲求が高ければ、生徒同士がワイワイディスカッションするようなことが好きかもしれません。
また、同じ教授欲求などが高くても、一時的にでも満たされれば良いのであれば、サラリーマンとして後輩や部下への指導で満たされるかもしれません。その場合は、充足感を得たい欲求を優先して考えれば良いでしょう。
同じく教授欲求が高いけれども、孤立欲求も高いとかであれば、直接指導するよりも、教材動画を作って商材として提供するというのが向いているかもしれません。

もっとも、挑戦欲求が高ければ、あまり現在の欲求を気にする必要はないかもしれませんね。

今ある欲求を洗い出し、様々な目線・角度から分析することで、本当に必要な自己分析ができるのではないでしょうか。得たい欲求を時系列に引いて、人生の年表のようなものを作ると、人生設計ができて面白いかもしれませんね。

今ある欲求を分類し、満たしたい優先度をつけることで、充足感が得られる本物の欲求が見えてくる

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