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2040年の未来予測

書籍「2040年の未来予測」で学べる一番大事なことは、一言でいうと以下の1文です。

未来は少子高齢化や自然災害などの暗い要素が多いが、テクノロジーと知識と順応性で備えることができる

知っている人だけが悲劇を避けられる

  1. テクノロジーの進歩だけが未来を明るくする
  2. あなたの不幸に直結する未来の経済(年金、税金、医療費)
  3. 衣・食・住を考えながら、未来を予測する力をつける
  4. 天災は必ず起こる

ポイント

本書は元日本マイクロソフト代表取締役社長が執筆した2040年の未来予測が各目線からふんだんに書かれた本です。中田敦彦のYouTube大学でも話題になっており、NewsPicksから本人が語る動画も出ています。

成毛眞が語る「2040年の未来予測」

テクノロジーの進歩だけが未来を明るくする

予想される未来のテクノロジー
2030年頃に実用化予定の6G

6Gは5Gの10〜100倍の速さになると言われています。まだ5Gですら十分に広まっていないなかでイメージしづらいところですが、2時間の映画をダウンロードするのに4Gで5分かかるところ、5Gでは3秒ほどになると言われていることから考えると、6Gは一瞬でダウンロードされることが分かります。
すると、すべてのモノがインターネットに常時接続することができるようになります。交通インフラも効率的になりARやVRのバーチャルも当たり前になるでしょう。

2040年には空飛ぶクルマも可能に

電気エンジンで浮力を得て垂直離陸する「空飛ぶクルマ」が技術的には可能になると言われています。
もちろん安全面や航空法など法規制の課題はありますが、地方の医療など需要は必ず出てきます。

医療技術はAIで格段に進歩

医療において、AIが大きく活躍します。
医師ひとりが診察できる患者の数には限りがあります。
そこで、AIにより知識量や過去の病歴を分析したり、精度が高くなることは一目瞭然でしょう。
現時点でも画像診断などでAIは活躍していますが、現在医師が直接している診察や手術でさえもAIの判断をもとにロボットが行うことも技術的には可能になるでしょう。

また、遺伝子治療により将来どんな病気にかかる可能性があるのか、どんな体質なのかが分かるようになってきましたが、がんなどの疾患特有の遺伝子の変異をAIの発達より早期に見つけ、治療することになるでしょう。
その他にもパーキンソン病やアルツハイマー病も再生医療の発達で治す可能性もあるでしょう。


そのほかにも、テレビは今のラジオのように「ながら見」メディアとして残るが、かじりついて見るようなテレビは、より専門性を持ったり、3D映像やVR映像などが見られるようなハードに変わっていくという予想が立てられています。

あなたの不幸に直結する未来の経済(年金、税金、医療費)

未来の経済

少子高齢化は必ず起こる問題です。
そしてすべての問題もここにあります。

年金

10年前に比べて社会保険料の負担率は、ひとりあたり26%増えていますが、賃金は3%しか伸びていないという事実があります。
1950年には65歳以上を12.1人で支えていたのに対し、2040年には、1.5人で支えなければならなくなります。

しかし、だからといって年金がなくなるわけではなく、定年を上げて70歳まで働くのであれば、今と同じ額の年金はもらえる試算になるということです。
なお、退職金で賄おうとあてにしている人がいるかもしれませんが、退職金はもともと終身雇用のご褒美的存在だったため、終身雇用が当たり前ではなくなってきたいまをみてもわかるとおり、2040年までには退職金制度もなくなり、様変わりしていることでしょう。

税金

税金は会社員が最も払っているといいます。
サラリーマンなどの給与所得者は源泉徴収で引かれるため、捕捉率がほぼ100%なのに対し、自営業者や農林水産業の中には経費の線引きがあいまいなまま申告するケースも少なくなく、捕捉率がそれぞれ50%や30%と言われています。ここはマイナンバーカードの普及によって正常化されていくことが期待されます。

またベーシックインカムの実用化も2040年にむけて検討すべきだろう著者はいいます。
ベーシックインカムは、コロナ禍以前からフィンランドなどで実験がされてきましたし、新型コロナ感染拡大で試験導入する国もみられます。
日本もこのような感染症や自然災害など多種多様なリスクと隣合わせにいるなかで、それぞれに画一的な保障がうまく回らなくなる恐れがあり、シンプルに一律給付の方がよいというメリットがあります。
支払い窓口も一本化でき、行政コストもかからなくなり、マイナンバーの普及にもつながるでしょう。

医療費

高齢化により、医療や介護が暗い見通しになりますが、医療費や介護費を下げるには、受診回数や利用回数を下げるか、提供するサービスにかかるマンパワーを減らすしかありません。
テクノロジーは後者を使えば難しくありません。前述のとおり、医療はAIや遺伝子治療の導入で大きく変わりますし、介護もロボットの導入で人手不足は緩和できます。病気の進行を抑えたり、健康寿命が延びれば自ずと医療費は下がります。テクノロジーの進歩に期待しましょう。


そのほか、働く人の減少により、日本のGDPも減少するとみられます。日本は今後40年で、GDPが25%以上減少するという分析もあります。
そして特にその打撃を受けやすいのは地方です。
AIにより人間の仕事が奪われるとよくいいますが、それよりも人口減少により仕事が失われていきます。
2040年には、地方銀行の存在も危ぶまれます。
地方においても、日本全体においても潤いをもたらすイノベーションが必要とされています。

衣・食・住を考えながら、未来を予測する力をつける

未来の生活(衣・食・住)

衣食住の未来は、テクノロジーの進展が速く、不確定要素が多いため予測は難しいが、短期的にコロコロ変わるだろうとみられています。

日本の人口は減少するものの、世界人口は増加します。2020年に78億人のところ、2040年には90億人に達するといわれています。
そこで食料は当然問題になりますし、世界で多く食べられている食肉が一番に影響するところです。
植物でできた代替肉や動物の筋肉の幹細胞を増殖させる培養肉を食べる必要が出てきます。

また肉だけでなく、魚や穀物、野菜も遺伝子組み換えなどを含めて改良した食料を食べなければならないかもしれません。それ以外にも昆虫食も当たり前になっている可能性があります。
今は不自然に感じるかもしれませんが、2040年には自然に感じる時代なのかもしれません。

マンションの価値は下がるということです。
2030年には、もしかしたら都市部の地価だけは上がっているかもしれませんが、全国的に見れば、2033年には全世帯の約30%、約2100万戸超が空き家になるといわれています。2040年になればさらに空き家が増えている可能性が高いでしょう。
すでに定額制で日本各地の家に住み放題のサービスが生まれたりしており、季節ごとに気軽に家を変えて過ごすライフスタイルも可能になるでしょう。すると自分の家が欲しいと考える人はいなくなり、困ったらいつか売れば良いと考えてマンションを買っても、価値は下がるし売ることもできなくなってしまいます。

ライフスタイル

就職について、日本では学歴の意味がなくなるといいます。
2040年には、18歳の人口は今と比べて8割にまで縮みます。少子化が進むと、売り手市場になり学歴が持つパワーはかつてほどはなくなってきています。
企業が学歴に基づいて大量採用して、育てるような旧来型の採用モデルは破綻していきます。
就職に学歴が関係なくなるのであれば、これから親は子どもに、好きなことを伸ばし、好きな仕事や自分の人生を創造する後押しを優先してあげるべきでしょう。大学に行く意味も、専門性を高める意味が強くなるのではないでしょうか。

また、消費に関しては、今でもモノを買わない人が増えてきています。
シェアリングエコノミーの市場規模は年々広がっており、2030年には、2018年の6倍近くまで伸びる可能性があるといいます。
コロナ禍においては、衛生面のリスクからにぶりはするものの、安くすませたいとかレンタルで良いという欲求は依然として強いものです。
日本の経済状況からもそれは言え、日本が経済大国のグループから2番手のグループに落ちるのは既定路線であるため、貧しくなる日本にシェアリングは不可欠だろうということです。

天災は必ず起こる

待ち構える天災
自然災害(地震・台風・水害)

遠くない将来に確実起きるといわれているのが南海トラフ地震と首都直下型地震です。
そしてそのような巨大地震が起きた場合には、日本中で連動した地震が起こる可能性が高くなります。

そして温暖化により年々台風の被害も大きくなってきています。
それと連動するのが水害です。
首都圏、地方に関係なく豪雨による浸水被害や土砂崩れなどが増えています。
昔に比べれば堤防や調節池などの整備は格段に進みましたが、洪水リスクよりも経済を優先したような住宅地もたくさんあります。
これには自分できちんと判断する力が必要になります。自分が住む場所は行動範囲はもちろん、実家や親が施設にいる場合はその施設など、洪水ハザードマップなどをきちんと確認し、どんな地域なのかを把握すべきでしょう。

戦争

温暖化によって戦争が起こるとリスクがあるといいます。
戦争の理由は、基本的には資源と富の収奪です。
温暖化により異常気象が続くと、危惧されるのは食料の奪い合いです。人口増加による食料不足に拍車をかけることになります。さらに農作物もこれまでどおり安定しなくなります。すると農業などの一次産業を主にしている国は経済的にも厳しくなってきます。
なかでも深刻なのが水不足です。すでにアフリカでは気候変動による水不足に2億5000万人が直面しています。2050年にはアジアでも水不足がおこり、世界中の都市部で利用できる水が今の3分の2まで落ち込むといいます。
「水」が最も希少な資源になり、水を巡って戦争が起きかねなくなります。


まとめ

本書は全体をとおして、2040年と20年ちかく先の話とはいえ、かなりネガティブな内容ばかりです。
しかしながら、ほとんどは、自分の力ではどうにもならない規模のもので、気にしすぎても仕方ないことばかりです。
その中でどうすれば幸せな人生を送れるかに全エネルギーを注ぐことを本書でもおすすめしています。

生き残り、幸せになるのは優秀な人ではなく、環境に適応した人であることは歴史が証明しています。
そのためにも環境をよく知り、最悪の事態を想定しながら未来を描いておけば、人生はそれより悪くはならないでしょう。

特にテクノロジーの進歩は様々な分野に影響を及ぼしますし、生活に不可欠な存在になるでしょう。
このテクノロジーの変革を楽しみつつ、活用できた人が、変化に強い人ともいえるひとつだと思います。
ここで予測できた環境に対する知識をそのままにしておくのはもったいありません。是非リスク回避などの具体的な行動に移し、明るい要素で補うのがよいのではないでしょうか。

未来は少子高齢化や自然災害などの暗い要素が多いが、テクノロジーと知識と順応性で備えることができる

【内容情報】
「今日」には、これから起こることの萌芽がある。現在を見つめれば、未来の形をつかむことは誰にでもできる。
20年後、あなたは何歳だろうか?
ひとつ確実なことがある。それは、人間が必ず歳をとることだ。
iPhoneが発売されたのは、たった13年前だった。現在、スマートフォンがない世界なんて考えられない。そして、これまでの10年より、これからの10年の方が世界は大きく、早く変わるだろう。
テクノロジーだけでなく、ほかのことも、気づいたときには手遅れになっているのが人間の性である。地震や災害も、リスクをわかっていながらも被災するまで手を打つ人は少ないし、明らかに社会制度の破綻しつつある。人口は増えず、老人ばかりの国になるし、環境問題も悪くなる一方だ。
これまでと同じように暮らしていたら、今の年齢によっては取り返しのつかない可能性もある。
この本は、あらゆるデータから導き出されるありのままの未来を書いた。「今日」にはこれから起こることの萌芽がある。現在を見つめれば、未来の形をつかむことは誰にでもできる。
本書は、ただ知識を得るためだけの本ではない。読んだ後、俯瞰的に未来を考えられる力がきっとついているだろう。

【著者情報】
成毛 眞(なるけ まこと)
1955年北海道生まれ。元日本マイクロソフト代表取締役社長。
1986年マイクロソフト株式会社入社。1991年、同社代表取締役社長に就任。2000年に退社後、投資コンサルティング会社「インスパイア」を設立。現在は、書評サイトHONZ代表も務める。
『amazon 世界最先端の戦略がわかる』(ダイヤモンド社)、『アフターコロナの生存戦略 不安定な情勢でも自由に遊び存分に稼ぐための新コンセプト』(KADOKAWA)、『バズる書き方 書く力が、人もお金も引き寄せる』(SB新書)など著書多数。

2040年の未来予測 内容紹介より

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