【究極の要約】「東大作文」から分かる一番大事なこと
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「伝える力」と「地頭力」がいっきに高まる 東大作文

書籍「「伝える力」と「地頭力」がいっきに高まる 東大作文」で学べる一番大事なことは、一言でいうと以下の1文です。

良い文章は、主張がはっきりし、読者との双方向的(インタラクティブ)対話がしっかり意識された文である

本書で身につく、5つの「一生モノの文章術」

  1. 「誰が読んでも」正確に伝わる あとがき作り
  2. 見違えるほど「読みやすく」なる 目次作り
  3. 「説得力」が劇的に高まる 1人ディベート
  4. 読者が思わず「引き込まれる」 質問トラップ
  5. ムダなく「効率的」に書ける 枝葉切り

ポイント

東大の入試問題の解答方式は、すべての科目で「記述式」です。
自分で文章を考えて答えなければなりません。逆に言えば、書いたものに対しては部分点がもらえる可能性があるということです。
数学の問題ですら、解が求められなかったとしても、このようなアプローチで解くという意思を伝えることで部分点がもらえることがあります。

著者は、作文に苦戦しながらも、偏差値35から2浪して東大合格を果たし、ドラゴン桜2の勉強法を考える団体のリーダーを務めている人物です。
そんな著者が自分の経験から大事なポイントとして掲げているのが、能動的に本を読むということです。自分の頭で考える力を養うことが作文というアウトプットにも役立つということです。そしてそのために、もうひとつ大事なのが双方向的(インタラクティブ)な文章を書くということです。
今度は読み手が能動的に読むためにどうすればよいかを考え、自分が一方的に書くことではなく、相手を意識した双方向で考えるということです。

ここでは、そんな作文で重要なポイントを詳しく解説します。東大入試のための作文(小論文)などをテーマにするわけではなく、一般的な説明文、ブログやメール、レポート、企画書、SNSなどあらゆる場面で一生使える考え方となるでしょう。

「誰が読んでも」正確に伝わる あとがき作り

あとがき作り
まず最後の一文から考える

まず、最後に「言いたいこと」を言うのが大原則だといいます。
評論では「結論」、レポートでは「まとめ」をかきます。スピーチやプレゼンテーションでも、「要するに」を最後に話します。

最後に言いたいことでなければならない理由は以下の2つあります。

  • 聞き手にとって最後に言っていることのほうが頭に残りやすい
  • 書き手にとって最後に言いたいことを書くほうが書きやすい

とくに書き手にとってのメリットは、言いたいことを目的地として、そこへ向かうように具体例や補足などの説明を加えることで、全体の文章の構成が作りやすくなることです。
なお、この最初から最後まで一貫した主張のことを「論理の貫通」と言い、東大はこれを重視する大学だとのことです。

主張作りで「言いたいこと」を一言にまとめる

言いたいこととなる主張をどのように作るかを考えます。
本書では次のうち「主張になりそうなもの」はどれかクイズから始まります。

  1. 海は広くて青い
  2. 若者はもっと勉強するべき
  3. 〜さんありがとう
  4. フランス語を勉強するのは大変だが日本語を勉強する場合はその3倍ほどの時間が必要だと言われている

正解は2.と3.です。

理由は主張になるもにには2つの条件があるからです。
その2つとは以下のとおりです。

  • 未知のものである
  • 短くまとまっている

1.の「海は広くて青い」というように誰でも知っている事実ではなく、思いもよらない未知の情報だからこそ、人は聞く意味を持ちます。
また、4.のように情報が多くなってしまうと、重要な部分や本当に伝えたい部分が見えにくくなってしまいます。

自分の書きたいことが揺らぐようであれば、書きたいこと、相手に伝えたいことをリストアップし、これこそ伝えたいという1つを選ぶと良いでしょう。その1つは「未知のもの」で「短い」という条件を満たしているものを選びましょう。そして、残った言いたいことは、主張を補助する材料として利用できるとよいでしょう。

見違えるほど「読みやすく」なる 目次作り

読者は頭がよくないと思って書く

目次作りとは論理的で相手に伝わりやすい文章を書くために、どのような形で文章を書けばいいのかを理解できるスキルといえます。
その論理的な文章を書くためには、読書は頭が良くないと思って文章を書く必要があります。

読者がみな頭が良いと思ってしまうと、飛躍した表現を使ってしまい、読者の補う力にかかってきてしまいます。人によっては意図した内容と異なって捉えられてしまうため、作文としては適しません。

では論理的な文章とはどのような文章でしょう。
例えば以下のような文章があります。

「私は、車よりも電車を使うべきだと思う。なぜなら、空気がきれいになるからだ。」

これでは、表現が飛躍しており、なぜ電車のほうが空気がきれいになるかの関係性が見えにくくなってしまい、読者は混乱してしまいます。

「私は、車よりも電車を使うべきだと思う。」
→「車は電車とは違って、燃料にガソリンを使っている」
→「ガソリンは、使えば使うほど大気汚染の原因になる」
→「だから、車ではなく電車を使うほうが、空気がきれいになるだろう」

このようにあ「→」の関係性がしっかり見えている文こそ論理的な文章といえます。

目的地へ向かう3つのルート選び

文章には王道の3つの型というものがあります。
この3つは東大入試現代文の文章、センター試験や中学・高校の教科書でも当てはまる型です。
それは以下のとおりです。

  • 同格型:自分の主張を違う言葉で言い換えながら提示していく
  • 因果型:原因と結果の関係が文章の中で作り上げられる
  • 対比型:2つ以上のものを対比して語る
同格型

同格型は、主張◎◎に対し、「理由は〇〇だからです。具体的には○○ということありますよね。それは○○ということです。だから◎◎なんです。」と主張を何度も言い換えながら繰り返し語ることです。
これはその主張に少しなじみがある読者に使う場合に有効です。

因果型

因果型は、例えば以下の例のように使用できます。
「勉強中に脳が疲れたとか頭が痛いと思うことはありませんか?それは脳が糖分を求めている証拠です。糖分は脳にとってガソリンのようなものです。だから勉強中に脳が疲れたと思ったらチョコレートを食べて糖分を補給するようにしましょう。」
このように疑問提起や事実を述べ、補足説明を加えながらその原因に対する結果となる主張で締めくくります。
これはその主張を聞き慣れない、耳にしたことがない読者にも有効です。

対比型

対比型は、因果型の例で、チョコレートとポテトチップスとを比較するような方法です。
ポテトチップスはカロリーが高いのに対し、チョコレートの糖分は疲れた脳を癒やすエネルギーになります。と結論となる主張に帰結することができます。
これは、主張を疑っている読者に対して有効です。

「説得力」が劇的に高まる 1人ディベート

読者を記者にしたら勝ち

読み手を「読者」から「記者」にするということはどういうことでしょう。
それは、相手に話すように、相槌やメモをとって真剣に取材してくれているかのように、双方向を意識した文章を書くということです。

読者から記者になってもらうためには、「相手に説得力があると思ってもらう」ことが重要です。
そしてそのためには1人ディベートが有効です。

ひとつに説得力のある文章を作るには断言することが必要です。
曖昧な表現はせず、言い切ることで説得力が増します。
その断言をするためには、あらゆる批判ポイントをあらかじめ想像してツッコミを入れておくことです。
それが1人ディベートです。

自分の中でディベートを行い、断言できるレベルまで作り上げることです。

  • なぜそう言い切れるのか?正しいのか?
  • この場合はどうなのか?当てはまらないのではないか?
  • 弱点はないのか?他の方がよくないか?

これらのディベートを繰り返し問題を解決することで、説得力のある文章が出来上がっていきます。

読者が思わず「引き込まれる」 質問トラップ

穴を使った問いかけ作り

プレゼンテーションや弁論でも、あえて「それ本当に正しいの?」「証拠はあるの?」とツッコまれそうなポイントをつくっておき、あらかじめ反論を用意しておくということはテクニックとしてあります。

同じ様に1つの文章の中に、そのような質問やツッコミどころを折り込んでおくと、読者を近くひきつける効果があります。

その穴という質問トラップをつくるために、問いかけから書き始める方法があります。
その問いかけには以下の3つの型があります。

  • 「これって疑問に思ったことありませんか?」型
  • 「相手の言葉を先回り」型
  • 「正解はどれ?」型
「これって疑問に思ったことありませんか?」型

「空が青い理由」を語りたいなら、「みなさん、なんで空が青いか知っていますか?」というように文章を進める方法です。これは書き始めに限らず、文章をひととおり書いたあとに読者との距離が遠のいたと感じ、引き戻したいタイミングで使用するのも有効です。

「相手の言葉を先回り」型

これは、相手が疑問に思いそうなことを先に封殺するものです。
「ここまで聞いて、それって普通の人には難しいんじゃないかと思った人もいるでしょう」という形がそうです。ツッコミを「」(かぎかっこ)に入れて書けば完成です。

「正解はどれ?」型

「AとB、どちらだと思いますか?」「Bだと思った人が多いと思いますが、実はAなんです」という表現で、インパクトを倍増することができます。

主観的な文章が読者の距離を縮める

例えば「不登校の子には言葉をかけてあげるべき」という主張に対し、以下の2つの文章があります。

  1. 私自身、不登校だったときにはこの言葉にすごく救われた
  2. 不登校の子の○割がこの言葉をかけられてうれしかったとアンケートで答えている

1.は主観的、2.は客観的な文章です。

この2つの文章を見比べたときに、説得力があると感じるのはBかもしれません。しかし、話を聞いてみたいと感じるのはAでしょう。
主観的な部分があると、読者からは「なぜ」「その後どうなった」のような次の興味が湧いてきます
特にブログでは、書いている人がどのような人なのかというプロフィールが重要だといいますが、その理由もこのことから言えるでしょう。

ムダなく「効率的」に書ける 枝葉切り

不要な文は思い切って省く

ここでは文章の仕上げのステップを説明します。
その全体の体裁を整えて、効果的でスマートな文章を作る上で、枝葉切りが重要です。

まず、文章は木であるということです。
「目的作り」は木の根を深く張らせる意味がありました。
「主張作り」は木の幹を作り上げる意味がありました。
「あとがき作り」はこの根幹を育てる意味がありました。
そして、幹から先の枝を伸ばすのが「目次作り」でした。
また、「1人ディベート」で主張に説得力を持たせるのに重要な役割をしているのが葉です。

ここで、改めて「根」がわかりやすい文章が良い文章です。
根を伝えやすくするには「根」にいちばん近い「幹」を知ってもらう必要があります。その幹をできるだけ太くするには枝葉を切る必要も出てきます。

つまり必要な文と不要な文を仕分けるということです。

今までの型のどれにも当てはまらない文があれば、それはいらない枝葉の可能性が高いといえます。
内容が重複している文章もいらない枝葉です。
また文字数が多く長い文章は短い文章にできないか検討しましょう。


まとめ

ここで説明した要素は、すべて欠かせない要素だと感じました。
とくにブログを書いている身としては、読者との双方向的な文章というものは意識せずにはいられません。
相手が持つだろう疑問や悩みなどのニーズに対して、寄り添ったり解決案を提示することは不可欠です。
なぜなら、そのようなニーズを持って読者は検索をして辿り着くからです。

それぞれの型については、慣れも必要でしょうが、記事の根幹となる部分の重要性というものは、ここからよく分かるのではないでしょうか。
そして本書では、SNSやブログでは特に「共感」が重要だとも述べています。

読者と同じ目線、対等な立場としての主観的な意見や感想がとくに大事です。
そのような本質的な部分においても行き届いている記事は、読者にも支持されることでしょう。

良い文章は、主張がはっきりし、読者との双方向的(インタラクティブ)対話がしっかり意識された文である

【内容情報】
「誰が読んでも」正確に伝わるあとがき作り。見違えるほど「読みやすく」なる目次作り。「説得力」が劇的に高まる1人ディベート。読者が思わず「引き込まれる」質問トラップ。ムダなく「効率的」に書ける枝葉切り。あらゆる場面で一生使える「スゴい文章術」。「書き方の手本になる本」も多数紹介!
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【著者情報】
西岡 壱誠(ニシオカ イッセイ)
東京大学3年生
1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。
崖っぷちの状況で開発した「暗記術」「読書術」、そして「作文術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。東京大学で45年続く書評誌「ひろば」の編集長を務める。講談社『モーニング』で連載中の「ドラゴン桜2」に情報を提供する東大生団体「東龍門」リーダー。18万部のベストセラーとなった『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』(東洋経済新報社)など著書多数。

「伝える力」と「地頭力」がいっきに高まる 東大作文 内容紹介より


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