ビジネスマンの父より息子への30通の手紙
書籍「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」で学べる一番大事なことは、一言でいうと以下の1文です。
実社会に出発する君へ 30通の手紙
- あえて挑戦を
- 名門私立大学に合格したが気おくれし、やっていけるだろうかと迷っている君へ
- 教育の設計
- いつ、何を、どう勉強すれば、充実するのか、将来に備えて
- 成功について
- 父親にはかなわない? いずれ父親を振り回すようになるのに
- 惰性的な生き方には
- 「ミソサザイの翼で鷲のように飛ぶ」ことはできない。下降する成績に歯止めを
- 実社会での最初の日々
- いよいよ実業界に足を踏み入れたが、一抹の不安を感じないではいられない君に
- 誠実さの代価
- ビジネスで最も重要なルールは君が真実を語らなかったと、決して人に言われないことだ
- 「企業家」とは何か?
- 冒険心と自信。危険への備えはどうするのか
- 経験の重みに代えて
- 新たに販売部長に就任した君。経験が基本条件の部署だが、しかし君にはそれがない
- 部下との衝突
- 衝突で何を得、何を失ったか。回避の道はなかったか
- 共同事業への誘惑
- 一攫千金のうまい話にさめた目、さめた手段を
- 結婚を気軽に考えないで
- 結婚という投資による損益は大きい。よき妻の条件とは
- 事業を拡大する上で重要なこと
- 事業を大幅に拡大するについて、二、三の大きな問題点を見落としていないか?
- 金銭感覚はどうなっているのか
- 高額の勘定書が会社に回されてくる。いささか不安を感じて一つ尋ねたい
- 講演は自信を持って
- 母校の講演を引き受けたものの、大勢の前で話す場面を想像し愕然としている君に
- 礼儀正しさにまさる攻撃力はない
- 仕事仲間に誇りをもって紹介できる社員とは、どんな人物なのか?
- 銀行融資をとりつけるには
- 実業家は銀行の有難味をよく忘れる。君も目的に夢中で、銀行を過小評価していないか?
- 政府の検査官について
- 恐れることはない。政府は私たちの事業を助けるためにあり、実際に助けてくれるはずだ
- 多角経営は会社を安定させるか
- 会社は一つの分野だけの経営の方が強いのではないかと、多角化の根拠を尋ねる君へ
- 読書の価値
- 「一冊の本しか読まない人に気をつけよう」これ以上付け加える必要があるだろうか
- 効率的な管理とは何か?
- それは部下とのチームワークである。が、活用されることの少ない方法の一つでもある
- 人生の幸福とは
- 「人生の『真』の幸福はどのようにして手に入れるのか?」と問いかける君に
- 社員を解雇するとき
- 気の重い神経の疲れる任務だが、それもまた、経営を向上させるうえでの大切な仕事だ
- 友情は手入れしよう
- 仕事では何人かの友人ができた。が、昔の友だちに会う機会がないと悩む君に
- 批判は効果的に
- 人はそれぞれ性格や性癖が違う。思慮深い批判を与える人は決してこの事実を忘れない
- 自分の財布の管理も計画的に
- 「予期せぬ請求書」のために、個人的な借金を申しこんできた君に、一言いう
- 常に備えよ
- 最近の経営不振から、会社は将来まで耐えぬけるだけの準備があるかと動揺している君へ
- ストレスと健康
- 君に最も適した、くつろいだ状態になるために……
- 優れた指導者の条件
- 業界団体の会長に推されたが、35歳ではその地位は務まらないと思っている君に
- 生活のバランスを保とう
- 社長に任命されて以来仕事に精勤する君に。仕事と同等に大切なものもあるのでは……
- あとは君に任せる
- 君は後継者になった。もう君の仕事に口を出すつもりはない。私の人生を楽しむだけだ。
ポイント
あえて挑戦を
1通目の「あえて挑戦を」を元に、これから社会に飛び込むという前段階での大事なことをまとめます。
- 人生は一度きりだということを知りましょう
- 挑戦とは人生の一部であることを深く理解しましょう
というのが最大のメッセージです。
環境が人間を育て、そして性格がそれを助けるから自信を持ってその環境に飛び込みなさいと言います。
その上で、これから社会へ飛び込む上で心がける点を以下にまとめています。
- この世にあるものはみな何かの役に立つ
- 本を読むことで考える・書く力が養える
- 多くの人々と知り合って影響を受ける
- 10年後にどんなことをしたいのか将来のビジョンを持つ
- 良いメンターに出会えるかがカギ
環境や制度に不満があれば、それを巧みに活用するように考え、後悔する前に将来の計画を立てましょう。
成功について
3通目の「成功について」を元に、これから社会に飛び出した段階での大事なことをまとめます。
競争に勝つのは必ずしも動きの早い人ではありません。
勝つのは過去の競争から学んで、その教訓を生かす人です。
そのために、道徳心、熱意、勤勉さ、そして責任感は毎日の中で保たなければならないと言います。
8通目の「経験の重みに代えて」にあるとおり、
できないことは問題ではなく、できることを着実にすることが重要です。
経験があることが基本条件の部署において経験不足を自覚しているのであれば、その経験不足で欠けている要素によって目的達成の試みを抑制あるいは阻止される必要はありません。
自分の中で目的達成をあきらめるつもりはないと決意する必要があります。
次に、与えられた課題に対し念入りに準備する時間を惜しまないことです。
80%の人がデータ不足、データの間違った解釈によって意思決定の間違いを犯すと言います。
そして、6通目の「誠実さの代価」にあるとおり、人との関係性を構築する上での大事なことがあります。
前提として、「真実を語らなかったと人に言われないこと」を最も重要なルールとしています。
ビジネスは人と行います。
人は信用がなければお金を払いません。
したがって、人間と良好な関係を築いて、信用を積み重ねることが最も重要です。
世代交代があるとしてもこの信用は維持しなければなりません。
信用については、15通目の「礼儀正しさにまさる攻撃力はない」にもあるとおりです。
マナーや心遣いがファーストコンタクトでは主観的にインパクトを与えます。
人の話をさえぎるなどの無作法は信用を失うことに繋がります。
ビジネスをする上で人の紹介はつきものです。
紹介者の信用は紹介された側にも移転し相手に伝わります。
紹介される側でも紹介する側でも気をつけるポイントです。
人生の幸福とは
21通目の「人生の幸福とは」を元に、これから仕事もそれ以外も含めた人生の幸福に向けて大事なことをまとめます。
人生の真の幸福とはどのように得られるかという問いに対して5つのアドバイスをしています。
- 人生の合言葉は決断
- 目標を持つ
- 達成感
- 全力を尽くす
- 時間は使い方で決まる(長さではない)
感情に関わる部分で言えば、一番大きい要素は「達成感」ということだと思います。
君の心を育てるのは君だけ
人生の問題に挑戦する自由があることを知り、それを行使すれば、人生の幸福を勝ち取る勝算は大きいと言います。
また、仕事と同等に大切なものがあることを、29通目の「生活のバランスを保とう」でも触れています。
成功者は体こそ一番の資本だと知っています。
ジムに通って体づくりをしたり、健康食品を摂取したりして、健康維持を心がけています。
何をする上でも健康であることが一番にあり、仕事以外の家族と過ごす時間も大切にします。
「財産や事業など残すより、いちばん大切なのは、一生の経験から学んだ人生の知恵やノウハウの集積である。これだけはぜひ息子に伝えておきたい」(まえがきより)
ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 内容紹介より
本書は、ビジネスマンとして成功を収めた著者が、同じく企業家を目指す息子へ宛てて書いた手紙をまとめたものである。全部で30ある手紙は、試験、実社会への出発、企業での人間関係、部下とのコミュニケーション、友情、結婚など、ビジネスマンが人生で遭遇するあらゆる場面に言及している。
著者が人生を通じて得た「礼儀正しさにまさる攻撃力はない」「友情は手入れしよう」「批判は効果的に」といった教訓は、いずれもビジネスにおける普遍の真理をついている。
本書の魅力は、こうした教訓だけにあるのではない。「父親を超えられない」と不安に思う息子を励ます場面では、息子の成長を祈る父親の気持ちが伝わってきて、思わず涙しそうになる。父親と息子の、男同士の絆。厳しさと愛情の入り混じった複雑な感情が、読むものの心を強く打つ作品である。
原書は『LETTERS OF A BUSINESSMAN TO HIS SON』で、全世界でミリオンセラーとなった。時代が変わっても輝きを失うことのない1冊。