「育ちがいい人」だけが知っていること
書籍「育ちがいい人だけが知っていること」で学べる一番大事なことは、一言でいうと以下の1文です。
この本でわかる多くの人が知らないマナー以前の常識250の大項目
- ふるまい
- ふるまい
- 気遣い
- 話し方
- 言葉遣い
- 電話・メール・SNS
- 見た目
- みだしなみ・ファッション
- 持ち物
- 暮らし
- 暮らし
- お金のこと
- 人間関係
- 会話
- こんなとき、どうする!?
- 贈り物・お招き
- 手土産
- 贈り物
- 訪問
- お招き・エスコート
- 公共の場でのふるまい
- 買い物・試着室
- 観劇・美術館
- 旅行・乗り物
- ホテル・旅館
- 食べ方
- 基本の食べ方
- カジュアルな外食
- 美しい食べ方
- 和食
- レストラン
- オケージョン
- オケージョン
- 結婚式・こんなときどうする!?
- お通夜・葬儀・こんなときどうする!?
ポイント
育ちの良さは身につけることができます。
家系や親、環境による影響が大きいと思われがちですが、誰でも今からでも育ちの良さを手に入れることができます。
本書でも「育ち」とは、その方の佇まいのことだと示しています。
所作や振る舞いを知っているか、いないかだけのことだといいます。
タイトルに「育ちがいい人だけ知っている」とあることで、逆にそれを知らないと育ちが悪いのかと感じる人もいるようで、人のコンプレックスを刺激し、炎上商法的に売れているのではないかという人もいるようですが、人によい印象をもってもらうという本質的な意味では知っているほうが得でしょう。
本書ではこんなときどうすればよいかというふるまいの正解が250項目紹介されています。
ここでは、本書の帯や宣伝に書かれている項目が一番人々が目を引く項目になっていると考え、その中のいくつかを紹介したいと思います。
ふるまい
上手なドアの開け閉め
ドアを片手でバンと閉めるのは印象が悪く、気持ちが良いものではありません。
片手でドアノブを持ったらもうひとつの手をそっと添えて、静かに開け閉めしましょう。
歩きかたの癖を知っておく
歩き方は、幼少期に親や先生に言われたり、よほど講座や教室などで習わない限り、意識的に治そうという機会がありません。他人がどう感じていても、欠点を伝えてくれることはありません。
自分で意識的に癖を知る必要があります。
そこで重要なのは姿勢です。
耳とくるぶしが一直線になるように立ち、上半身をキープしながら、かかとから着地するように歩くのがポイントです。
マナー違反横行! 靴の脱ぎ方
靴を外に向けて揃えることは皆頭にあります。
そのため、脱ぐ前から外側を向いて、脱いだ後にそのまま靴が外向きになるようにして玄関に上がる人が多くいます。しかしこれはマナー違反です。
正しくは、正面(家の中)を向いたまま脱ぐことです。
そして玄関に上がってから体の向きを変えて膝を折り、靴を180度回して隅に寄せましょう。
気遣い
エレベーターでは「何階ですか」「どうぞ」の言葉がすぐに出る
エレベーターで気遣いができる人は一目おかれます。
「何階ですか」「どうぞ」の言葉がすぐに出ると育ちの良さを感じさせ、よい印象を与えることができるでしょう。
エレベーター以外でも、自宅マンションやオフィスのエントランスなど、知らない方と一緒になることがあります。そんなときは素通りするのではなく、目礼や会釈などの簡単なあいさつができると更に品が感じられます。
雨の日のたたんだ傘の持ち方
雨で濡れた傘をたたんだ後、持ち方には注意したいものです。
傘の柄を腕に掛けるときは、傘の先が向いている方向を確認しましょう。
柄を手首の内側から掛けると傘の先が外に向いてしまい、他の人に向けることになってしまいます。
柄を外側から掛けかけるようにしましょう。少しの差が気遣いになります。
言葉づかい
必ず「お」をつけたい4つの言葉
育ちがよく聞こえる魔法の1文字があります。
それが「お」です。
特に以下の4つの言葉には、是非「お」をつけたい言葉です。
- 料理
- 化粧
- 箸
- 風呂
たった1文字ですが、品が感じられるようになります。
その他にも砂糖、塩、米、醤油、味噌汁なども「お」をつけたい言葉です。
ほめられたときの感じのよい受け答え
褒められたとき、日本人はついつい謙遜しがちです。
しかし本当に伝えたいのは嬉しい気持ちや感謝です。
謙遜してよい印象があるのは、そのふるまいの中に嬉しい気持ちや感謝が感じ取れたときではないでしょうか。
褒められたときは、「ありがとうございます」が含められるとよいでしょう。
そして相手への感謝やリスペクトを交え、
「ありがとうございます。初めて褒められました」
「そうおっしゃっていただき少し自信がつきました」
「励みになります」
などと返すと、よりお互いが幸せな気持ちになることでしょう。
素敵な女性は、「大丈夫?」より「大丈夫よ」
例えばレストランで一緒にいる人が飲み物ををこぼすなどハプニングがあったとき、ほとんどの人は「大丈夫?」と聞きます。
しかし、相手は「大丈夫」「ごめん」と返すしかなくなってしまいます。
本当の気遣いはどこにあるのでしょうか?
ここで大事なのは、パニックになっている相手を安心させてあげることです。
「大丈夫、お店の人におしぼりもらってくるね」とか、「大丈夫、このナプキン使って」とか「大丈夫だよ」というメッセージを添えて、落ち着いたニュアンスで安心感を与えるようにしましょう。
会話
相手の詮索を上品にかわす方法
それほど親しくない人から、プライベートな質問をされることもあると思います。
相手からすれば距離をつめて仲良くなりたい思いもあるかもしれませんが、信用を得るためのステップや時間も必要です。
相手に合わせることが気遣いというわけではありませんので、上手にかわすことも大切なことです。
例えば「お父様はどちらの会社ですか?」と聞かれ、答えたくない場合、
「会社名は申し上げられませんが、金融関係です。」と答えるのがよいでしょう。
ポイントは毅然と答えるというところです。
まだ教える仲ではないという意思をしっかり示しながらも、相手を直接は傷つけない言い方になります。
ちなみに、親しくない人との会話での避けたほうがよい話題を例として挙げておきます。
- 家族の有無
- 本人や家族の会社名、役職、収入、学校名
- 年齢
- 住まいの具体的な場所
- 政治、宗教の話題
「どちらでもいい」は間違った気遣い
「何が食べたい?」と聞かれた時に、「何でもいい」と答えるのはあまりよい印象を与えません。
仮に相手の好みを優先したいという思いや、本当に何でもいいという思いがあったとしても、そのことが相手に伝わるのは難しく、逆に「優柔不断」「興味がない」「楽しくない」といった印象を与えがちです。
例えば
「最近新しくできた○○が気になっています」とか
「今日は寒いので○○なんかどうでしょう」というように、
断言ではなく意見を伝えられるようにするとよいでしょう。
その際、2〜3つ案を出して、相手に選ぶ猶予を残すようにすると、さらに心遣いも伝わります。
まとめ
とりあげたい事例がたくさんあり、厳選したつもりがボリューミーになってしまいましたが、本書には今後に役立つ情報はまだまだあります。
冒頭でも述べたとおり、育ちの良さを表に出せるかどうかは、所作や振る舞いを知っているかどうかでもあります。そしてそれを無意識にも自然に実践できるようになれば、身につけられたと言えることでしょう。
ここ一番のときにはきちんとできると思っている人でも、一瞬の隙きを見られている可能性があります。
1回の違和感だけで人に判断される可能性があると考えると、普段の振る舞いが大事であることがわかります。
親の立場から言えば、子どもにはやはり早いうちから身につけておいてほしいと思うのは自然なことですね。
最後に、子どもが身につけるべきことという意味で、本書のコラムとして紹介されている「お受験で必ず受かるのは、こんな子」の項目を紹介して終わりたいと思います。
お受験で必ず受かるのは、こんな子
絶妙にアイコンタクト
親に促されることなく、自らお辞儀やアイコンタクトであいさつができるかが肝心です。
目が合うと、その瞬間はお互い相手に集中します。そのときの相手の状況や気持ちが読み取れやすくなります。
一瞬のことなので日頃の行いが表に出やすくなります。
あいさつするときの姿勢も、けっしてクニャッとせず、しっかり相手と正面を向き合うことが重要です。
メリハリ、けじめがある
子どもは遊ぶときは元気に遊ぶことが大切です。しかしメリハリやけじめは非常に大事です。
いざ「集合!」や「やめ!」の合図が掛かったときに気持ちを切り替え、すぐに次の行動に移せるかが重要になってきます。ここで「他の子もふざけているから」「みんなもまだ遊んでるから」という言い訳は通用しません。
四季の行事、旬の食材を経験
家族との関係や、生活の中で覚えるような一般常識が学べているかが見える部分です。
お正月や、節分、ひな祭りなど節目の行事、お花見や七夕など季節のイベントを大切に過ごしましょう。
そしてその行事のいわれや考え方について話し合う時間を設けましょう。
オリジナルの意見が言える
どんな質問にも、自分オリジナルの答えを伝えられるのが育ちのいい子です。
お受験の際には、面接や行動観察などで子どもに直接質問をされることがあります。そのときに親の顔をチラチラ見たり、練習したような定形の回答しかできなかったり、黙ったりモジモジしてしまうと自分で考える力がないと判断されてしまいます。
たとえ難しい質問でも、一生懸命考えて自分なりの答えを伝えられるように訓練したほうがよいでしょう。
自分で考え、よいと思ったことだけできる
人に流されず、自分でよく考え、自分で正しいと思ったことを行動できるです。
「自分軸」を持ち、自分でで考え、自分で行動し、自分を表現できる子であることです。
このことが、素直で、正直で、正義感を持つということに繋がります。
譲る、分けあう
人の立場にたって考えられれば子どもは卒業と言えるくらい、相手を気遣うということは重要なものです。
公園で遊ぶときに、遊具を使う順番を守ったり、おやつを分けたりやおもちゃを気持ちよく譲ることができるかどうかが大切です。また、相手を褒めたり、いたわったり、自分だけが満たされるのではなく、相手が満たされたほうがよいと考えられれば、しつけがいい子だといえます。
モノを丁寧に扱える、片付け
モノを乱雑に扱う人は、明らかに印象がよくありません。
どんな子どもでも、性格に関係なく、おもちゃの片付けや、服のたたみかたなど細かいふるまいは違和感があると気になるものです。逆にこのふるまいがとても丁寧できれいだと、とてもしつけがよい子だと思われます。
【内容情報】
正しい靴の脱ぎ方ができていますか?「どちらでもいい」は間違った気遣い。「お金を返して」の品のいい切り出し方。必ず「お」をつけたい4つの言葉とは?相手の詮索を上品にかわす方法。ほめられたときは、何と言うのが正解?エレベーターで「育ちがいい」か、そうでないかが分かってしまう。ハプニング時、できる女性は「大丈夫!?」ではなく「大丈夫よ」…テレビで話題のマナー講師が伝授。良家で必ず教えられるふるまいの正解250。【著者情報】
「育ちがいい人」だけが知っていること 内容紹介より
諏内えみ
「マナースクールライビウム」「親子・お受験作法教室ライビウム」代表。皇室や政財界をはじめとするVIPのアテンダント指導などを経て、「ライビウム」を設立。一部上場企業トップ陣や政治家へのマスコミ対応トレーニングや、映画・ドラマで女優へのエレガント所作指導も行う。自身もテレビ・ラジオ・雑誌等で、幅広く活躍中