学びを結果に変えるアウトプット大全
書籍「学びを結果に変えるアウトプット大全」で学べる一番大事なことは、一言でいうと以下の1文です。
アウトプットの基本法則とそれぞれの方法
- アウトプットの基本法則
- アウトプットとは? アウトプットの定義
- アウトプットの基本法則
- アウトプットの6つのメリット 他
- 科学に裏付けられた、伝わる話し方 【話す】
- 伝える/挨拶する/雑談する/質問する
- 依頼する/断る/プレゼンする
- 議論する/相談する/ほめる/しかる
- 説明する/自己紹介する 他
- 能力を最大限に引き出す書き方 【書く】
- 上手な文章を書く/速く文章を書く/文章を構成する
- 速く入力する/気付きをメモする
- ひらめく/ノートをとる/構想をまとめる/メールを書く
- プレゼンスライドをつくる/引用する/要約する 他
- 圧倒的に結果を出す人の行動力 【行動】
- 続ける/教える/集中する/チャレンジする
- 始める/トライする/楽しむ/決断する/率いる
- 笑う/泣く/「怒り」をコントロールする
- 眠る/危機管理する/時間管理する 他
- アウトプット力を高める7つのトレーニング法
- 日記を書く
- 健康について記録する
- 読書感想を書く 他
ポイント
アウトプットの重要性については、普段からも何となくは感じているという人は多いと思います。
本書は、そのアウトプットに特化し、アウトプットの決定版とも言うべき本といえます。
著者の樺沢紫苑氏は、精神科医でもありながら作家をしながら数々のアウトプットをこなすアウトプットの鬼ともいえる人です。そのアウトプットには以下のようなものがあります。
- メルマガ毎日発行:13年
- Facebook毎日更新:8年
- YouTube毎日更新:5年 / 1500本以上投稿
- 毎日3時間以上の執筆:11年
- 年2〜3冊の出版:10年
- 新作セミナー毎月2回以上:9年
このアウトプットが記憶に残りやすく、自己成長に繋がりやすく大事な要素です。
本書からは、アウトプットの重要性やトレーニング方法を詳しく学ぶことができますので、アウトプットの基本原則と合わせて以下で説明していきます。
アウトプットの基本原則
情報を何度も使う
脳の仕組み上、入力された情報は前頭葉の海馬に仮保存されます。しかしその保存期間は2週間程度です。
エビングハウスの忘却曲線でも、人は1時間後には覚えたことの半分を忘れてしまうといいます。
長期に記憶に残すためには、定期的に引き出される必要があります。
そして「インプットした後に何度も使われる情報」となってこそ脳は重要な情報と認識します。
その目安は2週間のうちに3回以上アウトプットすることです。
成長の螺旋階段
出力と入力のサイクルが必要です。
アウトプットするにもインプットが必要です。インプットとアウトプットのループを螺旋的に繰り返すことで、人は成長できるといいます。
このサイクルがあたりまえにできるように習慣化できれば好循環に入ったといえるでしょう。
黄金比は3:7
インプットとアウトプットのバランスが重要なことは、前述のことから分かりますが、どのくらいの割合がよいのでしょうか。
コロンビア大学のアーサー・ゲイツ博士の過去の実験によると、インプットの2倍程度をアウトプットに割り当てたときが最も効果が高く、インプットとアウトプットの黄金比は3対7だということです。
フィードバック
アウトプットの結果を見直し、次に活かすことが大切です。
そのためにはフィードバックが必要です。自己成長には、アウトプットの結果を見て改善点を探し出し、解決策を講じてまた繰り返すというループの中にフィードバックを組み込むことです。
運動性記憶は記憶に残りやすい
声に出して覚える、書いて覚えるというような覚え方は、運動性記憶として記憶に残りやすいことが分かっています。
その上で、話す、書く、行動することの重要性について説明します。
科学に裏付けられた、伝わる話し方
簡単なアウトプット方法は話すことです。
自分が読み聞きしたこと、体験したことを第三者に話してみるとよいでしょう。
例えば読んだ本の感想を家族や友人に話すだけでもよいでしょう。その際に自分の意見や感想をひとつでも盛り込むと更によいでしょう。言語化され脳が活性化し、記憶の増強や定着に大きく貢献します。
なお、愚痴や悪口などネガティブなことは百害あって一利なしです。学んだことにも伝える人にも感謝の気持ちをもって話しやすい環境づくりも意識しましょう。
能力を最大に引き出す書き方
書くことは、圧倒的に記憶に残り自己成長を促すことができます。
それは書くことで脳幹網様体賦活系(RAS :Reticular Activating System)が刺激されるからだといいます。
RASとは、脳幹から大脳全体に向かう神経の束、神経ネットワークのことであり、「注意の司令塔」とも呼ばれます。
なお、書くのはタイピングよりも実際にペンで書く方が効果的だといいます。現代ではパソコンやスマホで文字を入力することも、書く一般的な方法といえますが、手で書く方が長く記憶に定着し、新しいアイデアを思いつきやすいことが明らかになっているということです。その際、絵や図などの視覚的な要素があると効果的です。視覚は文章だけの内容と比較すると6倍以上も記憶にも残りやすくなるからです。
そしてアウトプットのベストタイミングは、脳が最も情報を多く記憶しているインプットの直後がよいということです。
特に要約は読解力のトレーニングになります。Twitterの140文字以内という文字数制限がある中、本や映画の感想をつぶやくことも簡単でよいトレーニングでしょう。
圧倒的に結果を出す人の行動力
本書において「行動する」は、「話す」「書く」以外のすべてのアウトプットを指しています。
そして最も大事なアウトプットです。インプットしても実際に行動しないと自己満足だけで自己成長にはつながらないといいます。
インプットしたことを実際に行動に移すことが重要です。そしてその行動には継続がつきものです。
継続するための5つの極意が紹介されています。
- 5分でいいからとにかく始める
- 楽しみながら実行する
- 目標を細分化する
- 結果を記録する
- 結果が出たらご褒美をあげる
やる気が出たらはじめようという考えではいつまで立ってもはじめられません。5分でよいからとにかくはじめることが大切です。そしてその中で楽しさを発見することで、楽しい記憶が残り、モチベーションアップへ繋がります。
そのモチベーションを切らさないためにも、目標を細分化しましょう。ダイエットであれば「10キロダイエットする」ではなく「1ヵ月で1キロ痩せる」という目標にします。
その結果を記録し、目標達成までの進捗を見える化しましょう。そして目標が達成したらご褒美をあげましょう。
なお、習慣化についての詳しい内容は、以下の記事でも紹介しています。
まとめ
インプットの倍以上アウトプットが重要であると理解した上で、アウトプットの質を高めることはアップさせることは、自己成長のためにも重要であることが分かります。
アウトプットをするための環境を整えることもアウトプットの一部です。例えば習慣化するための仕組みをつくっておくなどがあります。
このインプットの記憶が薄れないうちに、環境を整えるなどの行動に移し、早速アウトプットをしてみましょう。
最後に、アウトプット力を高める7つのトレーニング法の項目を紹介しておきます。
アウトプット力を高める7つのトレーニング法
- 日記を書く
- 健康について記録する
- 読書感想を書く
- 情報発信する
- SNSに書く
- ブログに書く
- 趣味について書く
【内容情報】
説明、アイデア、雑談、交渉…すべての能力が最大化する。日本一情報を発信する精神科医が贈る、脳科学に裏付けられた伝え方・書き方・動き方。【著者情報】
学びを結果に変えるアウトプット大全 内容紹介より
樺沢紫苑(かばさわしおん)
精神科医、作家
1965 年、札幌生まれ。1991 年、札幌医科大学医学部卒。2004 年からシカゴの イリノイ大学に 3 年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。SNS、メールマガジン、YouTubeなどで累計40万人以上に、精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝え、「日本一、情報発信する医師」として活動している。月に20冊以上の読書を30年以上継続している読書家。そのユニークな読書術を紹介した『読んだら忘れない読書術』(サンマーク出版)は、15万部のベストセラーに。その他、『いい緊張は能力を 2 倍にする』(文響社)、『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術』(大和書房)など、28 冊の著書がある。