
FACTFULNESS(ファクトフルネス)
10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
書籍「FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」で学べる一番大事なことは、一言でいうと以下の1文です。
10の思い込み
- 分断本能 「世界は分断されている」という思い込み
- ネガティブ本能 「世界がどんどん悪くなっている」という思い込み
- 直線本能 「世界の人口はひたすら増える」という思い込み
- 恐怖本能 「実は危険でないことを恐ろしい」と考えてしまう思い込み
- 過大視本能 「目の前の数字がいちばん重要」という思い込み
- パターン化本能 「ひとつの例にすべてがあてはまる」という思い込み
- 宿命本能 「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
- 単純化本能 「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
- 犯人捜し本能 「だれかを責めれば物事は解決する」という思い込み
- 焦り本能 「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み
人は思い込みをしてしまいます。
見た目で人を判断したり、このタイプはこういう性格だろうと決めつけたりすることがあると思います。
世界のことも、その国にいったことがないのに、身近にいる一人を知っているだけで、その国のことを知ったように思い込んでしまったりします。本当のことは、その国に行ってみないと分からないかもしれませんし、行っても十分に分からないものもたくさんあるでしょう。
本書の中でも、上記の思い込みについて、事実と照らし合わせていくつもクイズ形式で例題を挙げてくれています。
いくつか例題を見てみましょう。
例題
思い込みの例がいくつかあります。
世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったでしょう?
A. 約2倍になった B. あまり変わっていない C. 半分になった
答えは「C. 半分になった」ですが、正しく答えられたのは7%の人だけということです。
これらの回答は専門家であっても正答率が低いから驚きです。
ランダムに回答した場合の33%よりも低いということは、間違った認識をしてそれを信じている証拠です。
世界中の1歳児の中で、予防接種を受けられている子供はどのくらいいるでしょう?
A. 20% B. 50% C. 80%
答えは「C. 80%」です。
国連の予測によると、2100年にはいまより人口が40億人増えるとされています。人口が増える最も大きな理由は何でしょう?
A. 子供(15歳未満)が増えるから B. 大人(15歳から74歳)が増えるから C. 後期高齢者(75歳以上)が増えるから
答えは「B. 大人(15歳から74歳)が増えるから」です。
ポイント
例えば海外の一握りの貧困者に対するドキュメンタリーを見て、その国の人が皆貧困で困っているようなイメージを持ったりします。
メディアがネガティブなニュースを大々的にすることで、視聴者には強烈な印象が残りますし、視聴者もTVの他のチャンネルや、動画サイトのおすすめから同じようなニュースを見たりすることで増幅されます。
また同じニュースがネガティブがポジティブに転じたとしても、視聴者の関心がなければわざわざ報じません。
最終的な事実を知らずに、感情的に強烈な事だけが記憶に残ることがあります。
私たちは情報を得る時に、その情報の伝え方に非常に影響を受けます。
しかしドラマチックにすべて捉えるのではなく、思い込みを捨てて事実を知ることが重要です。
それは自分自身に対する性格や特徴も同じかもしれません。
私はこういう性格だからこれはできない。という考えは実は思い込みで、他人から見ると違うかもしれません。
今自分は思い込みで考えてるのではないかと気付き、正しい事実は何かを調べることで、正しい行動につなげらるのではないでしょうか。
さいごに
私の思い込みは、なるべくネガティブな方に傾けて、事実は少しポジティブになるとよいなとハードルを下げる傾向があります。例えば町で見かけるガタイもよく悪そうに見える外国人に対して、怖さを感じはするものの、直接話せばいい人だと感じるんだろうなと心の奥底で思っていたりします。
本書の例題も、ネガティブに思っていたことが、事実はもう少し明るく安心できるものでした。明らかに悪い報道だけ受け入れていたことに気付きました。
本書では世界の事実を主に取り上げているので、世界のことがもっと知りたいという人にはおすすめです。ただし、世界に興味がない人でも、思い込みの可能性に気付く良いきっかけになる本です。身の回りにも思い込みは必ず潜んでいます。この本を読みながら、あれも思い込みだったかもと気付きがあるかもしれませんね。
ファクトフルネスとは――データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣。賢い人ほどとらわれる10の思い込みから解放されれば、癒され、世界を正しく見るスキルが身につく。世界を正しく見る、誰もが身につけておくべき習慣でありスキル、「ファクトフルネス」を解説しよう。世界で100万部の大ベストセラー! 40カ国で発行予定の話題作、待望の日本上陸ビル・ゲイツ、バラク・オバマ元アメリカ大統領も大絶賛!「名作中の名作。世界を正しく見るために欠かせない一冊だ」―ビル・ゲイツ「思い込みではなく、事実をもとに行動すれば、人類はもっと前に進める。そんな希望を抱かせてくれる本」―バラク・オバマ元アメリカ大統領特にビル・ゲイツは、2018年にアメリカの大学を卒業した学生のうち、希望者全員にこの本をプレゼントしたほど。本書では世界の基本的な事実にまつわる13問のクイズを紹介している。たとえば、こんな質問だ。質問 世界の1歳児で、なんらかの予防接種を受けている子供はどのくらいいる?・A 20%・B 50%・C 80%質問 いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいる?・A 20%・B 50%・C 80%答えは本書にある。どの質問も、大半の人は正解率が3分の1以下で、ランダムに答えるチンパンジーよりも正解できない。しかも、専門家、学歴が高い人、社会的な地位がある人ほど正解率が低い。その理由は、10の本能が引き起こす思い込みにとらわれてしまっているからだ。
FACTFULNESS(ファクトフルネス)内容紹介より