
金持ち父さん 貧乏父さん アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学
書籍「金持ち父さん貧乏父さん」で学べる一番大事なことは、一言でいうと以下の1文です。
金持ち父さんの六つの教え
- 金持ちはお金のためには働かない
- お金の流れの読み方を学ぶ
- 自分のビジネスを持つ
- 会社を作って節税する
- 金持ちはお金を作り出す
- お金のためでなく学ぶために働く
ポイント
本書はお金に関する本質的な考え方を述べている世界的ベストセラーとなった本です。
金持ち父さんと貧乏父さんの二人の父さんが登場する物語形式で分かりやすくまとまったビジネス書です。
マネーリテラシーを高めることにも繋がり、自己啓発本としても扱われています。
本書で特に重要なポイントを以下に挙げます。
お金を働かせる
多くの人はお金のために自分の体と時間を使って働いています。
つまり、働いても働いても、一向に資産が貯まらず、労働を止めることができない状態です。
このような状態を本書では、回し車の中でクルクル回っているネズミに似ていることから「ラットレース」と呼んでいます。
それに対し、金持ち父さんは、「中流以下の人間はお金のために働く、金持ちは自分のためにお金を働かせる」と教えています。
つまり、このラットレースから抜け出すためには、自分がいなくてもお金を生み出してくれる仕組み、お金がお金を稼ぐ状態をつくることが大事だと述べています。
本書のストーリーでは、主人公がマンガ図書館というビジネスを立ち上げる例で紹介しています。
資産と負債の違い
資産と負債は相反する意味であるのに対し、よく理解せずに行動している可能性があります。
その典型が家です。
ローンを組んでマイホームを買って住んでいる状態は、往々にして負債だと言います。
なぜならば、価値以上に支出が発生しているからです。
ローン金利、固定資産税、修繕費、保険などが伴います。
マイカーも同様に、保険や自動車税などが伴います。
資産は収入をもたらすものです。
仮にポっとアパートを手に入れることができて、賃貸物件として人に貸して、収入がある状態であれば、資産と言えるかもしれません。
要するに、キャッシュフローがプラスの場合は資産、キャッシュフローがマイナスの場合は負債ということです。
仕事とビジネスの違いを知る
シリーズの中の「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」で詳しく紹介されています。
クワドラントとは、英語で「Quadrant」と書き、日本語では「四分円」、「四分儀」を意味します。
ここで言うクワドラントとは、職業の4つのタイプを指します。
- Eクワドラント…従業員・サラリーマン
- Sクワドラント…自営業
- Bクワドラント…ビジネスオーナー
- Iクワドラント…投資家

日本では、この左側のEとSになる教育しかされていないと言われています。
つまり汗みずたらして働いて、報酬を得るということが美学のように伝えられがちです。
しかしながら、左側の労働と報酬が対になっている状態は、それは仕事であってビジネスを持っているとは言えません。
大企業で役職がどんなに高く、高収入であっても給料という報酬を受けている形である限りクワドラントは変わりません。医者や法律家のように専門家として高度な知識を必要とするものであっても同じです。
ビジネスを持つということは、つまり資産を持つという意味です。
右側のBとIは、資産であり、その場にいなくても稼げる状態と言えます。
一つの基準は1年以上休んでも、お金が入ってくる仕組みがあるかということです。
学ぶために働く
上記で、左側にいることがよくないような印象を受ける人がいたかもしれません。
もちろんお金持ちを目指すのであれば、左側では限界があるため、右側を目指す必要があります。
しかしながら、安定的に収入を得ながら、スキルをつけることが左側では可能です。
働く目的の考え方を変えることです。
稼ぐために働くのではなく、学ぶこと、自己投資することを目的に働くことということです。
将来右側を目指すのに必要な知識と経験を得るために働く。必要な知識を学べる仕事を選ぶというように考え方を逆転させることが大切です。
まとめ
本書はシリーズ化しており、図解版などいくつもの派生した書籍も生み出しています。また、ボードゲームも登場しています。しかしながら、不労所得という言葉に魅了され、「金持ち父さん症候群」にかかり、FXなどギャンブルに近いお金の使い方に走ってしまう人もいるようです。また、本書のストーリーになぞってやばいマルチ商法や不動産投資などの勧誘に持ち込むケースも聞きます。事実をよく知った上で判断できるように、本書から本質的な考え方を習得し、十分に咀嚼して理解を深める、マネーリテラシー、そしてファイナンシャルリテラシーを高めていきましょう。
【内容情報】
この本は…金持ちになるためにはたくさん稼ぐ必要があるという「神話」をくつがえす。持ち家が資産だという「信仰」を揺るがす。資産と負債の違いをはっきりさせる。お金について教えるのに、学校教育があてにできないことを親にわからせる。そして、お金について子供たちに何を教えたらいいかを教えてくれる。【著者情報】
金持ち父さん 貧乏父さん 内容紹介より
キヨサキ,ロバート
起業家、教育者、投資家。ファイナンシャル教育会社リッチダッド・カンパニーの創業者であり、各種『キャッシュフロー』ゲームの開発者でもある。国際的なベストセラー『金持ち父さん貧乏父さん』を含めて二十冊以上の著書があり、世界中でさまざまなメディアにゲストとして登場したり記事に取り上げられたりしている。