【究極の要約】「最高の体調」から分かる一番大事なこと
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最高の体調 〜100の科学的メソッドと40の体験的スキルから編み出した ACTIVE HEALTH

最高の体調

書籍「最高の体調」で学べる一番大事なことは、一言でいうと以下の1文です。

現代病のほとんどは文明によるものであるため、古代人に立ち返り、炎症と不安を取り除けば最高の体調が得られる

最高の体調に必要なキーワード

  1. 文明病
  2. 炎症と不安
  3. 腸・環境・ストレス
  4. 価値・死・遊び

ポイント

現代病は文明病

文明病とは

文明が発達したにもかかわらず、現代人は依然として心身ともに問題を抱えており、幸福からほど遠い場所にいます。しかしその大半は個人の弱さや特性に原因があるわけではなく、文明の発達に人間の体が追いついていないための「文明病」に起因するものだと本書ではいいます。

つまり大半の体の不調は、本来人間の体が持っている素質というより、文明に影響されたことによるものだということです。特に現代病の代表格と言われるのが「うつ病」などの心の病気も文明病です。そして、肥満や散漫な集中力、慢性疲労や不眠症なども同じく文明病といえるでしょう。
うつ病についてはまだまだ解明されていない部分も多いですが、確かなことは、現代人の心のトラブルの多くにも、進化のミスマッチが関わっているという事実です。
この文明病を解決させるためには、まず自分が抱える問題の遺伝的なミスマッチを特定し、そのミスマッチを引き起こしている環境を修正することが必要です。

尚、本書では度々、現代の日本人と、狩猟採集民族だった頃の人とが比較されます。
ここでいうミスマッチとは、今の体は本来狩猟採集民族に最適な体で、現代までの変化にその体が追いついていないという文明と体の差を表現しています。

その文明病を引き起こす要素を大きく大別すると、炎症不安にあるといいます。

炎症

体の不調は炎症から

まず炎症とは、体がなんらかのダメージを受けたときに起きます。
転んでひざを擦りむいたとしたら、傷口からジクジクとした液体が染み出し、皮膚は赤く腫れ上がっていきます。免疫システムが、怪我を修復するために働き出すわけです。
つまり炎症そのものは進化の過程で人体に備わった防御システムであり、生きる上で欠かせないものです。

しかし重要なのは、この炎症が体の表面だけに起こる現象ではないことです。
例えばアレルギーは、外から入ってきた異物に免疫システムが過剰に反応し、目の充血や鼻づまりといった炎症反応が起きた状態です。
切り傷や火傷のような短期の症状なら問題ありませんが、現代人のパフォーマンス低下は、長期にかけてジワジワとろ火で煮込むような形で進行し、免疫システムが激しい戦いをくり広げるため、全身の機能が下がっていくことから起きてしまいます。

そのような慢性炎症は脳の機能にも激しいダメージを及ぼします。そしてその代表的な例が「うつ病」です。
これらは外部から分かりづらいという面からも放置されてしまいがちになってしまうため、少しずつ不調が進行するという悪循環を生みます。謎の不調と炎症は、明確に連動しているのです。

ここで狩猟採集民とのミスマッチを考えます。
すると、要因として古代に比べて多すぎるものと少なすぎるものが分かります。

多すぎるもの:カロリー

この30年で1日の摂取カロリーは増大を続けており、70年代からおよそ400kcalも増大しています。
同時に肥満率も増加を続け、糖尿病や高血圧の発症率にもつながります。
私たちの脳と体は「低カロリー」には対応できるものの、「高カロリー」を処理するようには設計されていません。
内臓脂肪も、その炎症を引き起こす一因です。
余分な脂肪細胞が分泌する炎症性物質が臓器に炎症を引き起こします。

少なすぎるもの:睡眠

平均の睡眠時間が1日7〜9時間の範囲を逸脱すると体内の炎症マーカーが激増してしまうという研究結果があります。また、夜中に何度も目が覚めてしまうような場合も同様炎症が増えてしまうため、睡眠の質も重要です。

それ以外にも新しすぎるものも人体への被害があるといいます。

古代より多すぎる、少なすぎる、新しいもの

長寿な人の共通点は、体の「炎症レベル」が低いということです。
この炎症レベルは老化のスピードに関わり、健康には重要なものであることがわかります。

不安

現代が「不安の時代」であることは、多くのデータが示しているといいます。
日本でも不安障害の患者は15年で2倍に増加し、いま尚増えています。
そして現代の不安は古代の不安よりもぼんやりした不安であることが特徴です。
古代の不安は、猛獣に襲われるかや食べ物を確保することなど今日生きることに対するはっきりした不安です。
それに対し、現代の不安は、SNSなどのコミュニケーション不安や、社会の仕組みに対する不安、将来への不安などはっきりしない不安が目立ちます。

不安は記憶力、判断力を奪い、死期を早める

「ぼんやりとした不安」は、現代人の脳のパフォーマンスとQOL(人生の質)に多大な影響をおよぼします。

  • 慢性的な不安は記憶力を低下させる
    • 大脳辺縁系の一部で、新しい記憶や学習能力に関わる器官である脳の海馬が小さくなる現象あり
  • 不安は理性的な判断力を奪う
    • 不安が高まると、様々な化学物質の連鎖により、原始的な脳の働きが優勢になり論理的な判断力を失う
  • 不安は死期を早める
    • 不安が自尊心を低め、過度な飲酒や運動不足につながる可能性がある

そして不安は不安を呼び込みます。
ぼんやりした不安により脳の扁桃体が敏感になっていき、少しのストレスでも過剰は反応を起こすようになってしまいます。

炎症の解決には「腸」「環境(自然)」「ストレス」

現代人の慢性炎症を抑えるために必要なキーワードは「腸」「環境(自然)」「ストレス」です。

腸内細菌の減少により、現代人の腸のバリアはどんどん破れていっているといいます。
腸内細菌は、体に侵入した外敵から身を守ってくれる存在であるにも関わらず、「衛生の発達」と「食物繊維の不足」により減少させてしまっている状態です。

衛生の発達

古代と違い、家や部屋の気密性が高くなったことにより、換気が行き届かなくなり、有害なカビなどの発生原因として懸念されていることがあります。適度に換気加湿対策を心がけましょう。

食物繊維の不足

食物遷移は腸内細菌のエサとなり繁殖に関わりますが、現代人は食物繊維の摂取量は減り続けています。食物繊維と同じく発酵食品も同様です。腸内細菌のエネルギーとなる以下の食材を特に意識して、摂取するように心がけましょう。

発酵食品食物繊維
ヨーグルトゴボウ
チーズキノコ類
納豆海藻類
キムチリンゴ
味噌オクラ
発酵食品と食物繊維が摂れる主な食材例

また、風邪をひいたときに処方される抗生物質は避けたいところです。
抗生物質は風邪の症状を抑えるのには有効ですが、副作用として善玉菌だろうが悪玉菌だろうが関係なく、必要な細菌までも死滅させてしまいます。
腸内細菌の3分の1が死滅し、半年後も回復しなかったという研究結果もあるくらいです。
医者も理解しており最近ではむやみに抗生物質は処方しないようになっているようですが、処方された場合には副作用についてもよく話を聞きましょう。

環境(自然)

現代と古代とでの遺伝的ミスマッチが大きいものに「自然」があります。
緑豊かな環境に適応してきた人類にとっては、異常事態であり、体が追いついていない状態です。

自然とたわむれると異常状態が回復されるという研究結果もあります。
仕事などの戦闘モードになっている状態は、交感神経が優位になっている状態ですが、自然な環境のもとでは副交感神経を優位に働きます。つまりどんなに疲れた状態やだるい状態からも、リラックス状態に切り替えてくれ、マッサージよりも効果は大きいといいます。

また、「友人」も同様です。
狩猟採集民の共同体には「見知らぬ人」は存在せず、孤独やコミュニケーション障害などは無縁でした。
一方で現代人は孤独でもなりたつ娯楽なども後押しして、孤独をこじらせがちです。
特に友人の存在は寿命を延ばす効果もあるということです。

自然との接触と気の許せる友人とのコミュニケーション機会を増やすようにしましょう。

ストレス

ストレスは古代からもあったはずですが、猛獣との遭遇など短期的なストレスばかりでした。
それに対し現代では慢性的なストレスに晒されています。
しかし人体は慢性的ストレスには体の仕組みとして対応していません。

ストレス回復の大きなカギは「睡眠」です。
睡眠不足は借金のようなもので、寝不足が続くと、睡眠負債として溜まり、様々な疾患を引き起こすきっかけになってしまいます。
また本来で脳と体が受けたダメージを修復する時間だったものが、処理されるに残った疲労やストレスにより、炎症として現れる可能性もあります。

良質な睡眠を充分にとるように心がけましょう。
本書では「良質な睡眠」を以下のように定義しています。

  • 眠りに落ちるまで30分以内
  • 夜中に起きるのは1回まで
  • 夜中に目が覚めても20分以内に再び眠れる
  • 寝床での睡眠が全体の85%以上(電車や昼寝をカウントして15%を超えない)

そしてウォーキングなどの運動や、スマホの使用時間を減らすことも、ストレスを減らすための方法のひとつです。

不安の解決には「価値」

現代の不安は、古代の不安と比べるとかなり先の将来にまでおよんでいます。
例えば、「いつか体を壊してしまうんじゃないか」とか、「将来お金がなくなるんじゃないか(年金がもらえない)」とか、「大地震で家がなくなるんじゃないか」など、近い将来起こるかもしれないけど、一生起こらないかもしれないものも含まれます。

未来を今に近づける

現代人がとれる対策としては、未来の自分と現在の自分の心理的な距離を近づけることです。
未来との心理的距離が近い人ほど不安に強く、セルフコントロール能力も高いという研究結果も出ています。

未来との心理的距離を近づけるということがどういうことか、ダイエットを例に考えてみます。

目の前のケーキを食べたい今の自分がいるとして、ダイエットに成功した未来の自分をリアルに考えられる人が、未来との心理的距離が近い人です。そのような人ほど目の前にあるケーキを我慢できるのです。

価値

未来との心理的距離を縮めるためにも、自分の価値観を見定めることは効果的です。
なぜなら、現代特有の多様化した価値観が、ぼんやりとした未来をつくってしまうからです。

文明が栄え、豊かになるにつれ、人の欲求も変化し、狩猟採集民の価値観は「生きる・産む・育てる」という3つだけだったのに対し、現代は、「有名になりたい」「お金持ちになりたい」「人によく見られたい」など承認欲求などをはじめとした欲求も多様化しています。

この多様化によりブレてしまう価値観が、ぼんやりとした未来像を生み、不安を生むことになります。
この自分の価値観をはっきりしたものにすることが必要です。
価値観を持って生きていると言える人は、死亡率が下がる傾向にあり、自然と健康的な食事と運動を実践できる人ということも明らかになっています。
これは必然的に幸福度にもつながります。

同じく、畏敬の感情を体験した回数が多いものほど、心理的な不安や体内の炎症レベルが低くなるという研究結果もあります。特に自然アート(絵画、音楽、映画など)、(偉人やスポーツ選手など)について、心から敬い楽しむことできるとよいでしょう。

そしてそこにユーモア遊び心を持つことも大切です。
人間の遊び心は幸福度と高い相関があるといいます。つまり、遊び心がある人ほど幸福な人生を送っている傾向があるといいます。


まとめ

本書は、メンタリストDaiGoが日本で一番尊敬する人の本と語るほど話題になった本で、漫画版も発売されています。内容としては、現代の文明と体の仕組みがミスマッチだということからはじまり、あらゆる不調の原因である「文明病」は「炎症(慢性炎症)」と「不安(ぼんやりした将来不安)」によるものだと分かりました。
そして、炎症対策には「腸・環境・ストレス」、不安対策は「価値観を定めつつ未来を近づける」ということが重要なポイントだということが分かりました。

食事・運動・睡眠が重要なポイントであることも、わかっているはずですが、古代狩猟採集民と比較しながら違いを紐解くことで、それぞれがすべて繋がりうまくまとめられているのではないかと思います。

特に炎症において、古代とのミスマッチを考えた際に多すぎるもののひとつに「情報」も含まれるのではないかと思います。
現代では特にこの情報をうまくさばき、正しい情報を得ることを競うことがあると思います。また、不要な情報も得たり、それに感情を左右されたりということもあります。
そこにも自分の価値観というものが大きく影響することでしょう。
自分の価値観をはっきりしたものにしていれば、必要な情報を必要な分だけ得ることに集中でき、よりシンプルなライフスタイルが得られるのではないでしょうか。

現代病のほとんどは文明によるものであるため、古代人に立ち返り、炎症と不安を取り除けば最高の体調が得られる

【内容情報】
疲労・肥満・不眠・不安・病気・老化―文明病から脱却し、本来の自分を取り戻せ!!進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法。

【著者情報】
鈴木祐 (すずき・ゆう)
新進気鋭のサイエンスライター。1976年生まれ、慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立。10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、現在はヘルスケアをテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける。近年では、自身のブログ「パレオな男」で心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介し続け、3年で月間100万PVを達成。また、ヘルスケア企業などを中心に、科学的なエビデンスの見分け方などを伝える講演なども行っている。

最高の体調 〜100の科学的メソッドと40の体験的スキルから編み出した ACTIVE HEALTH 内容紹介より

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